第8回 殿橋竣功

 乙川に架かる殿橋は、明治時代には明治38年(1905)に架設され、大正13年(1924)には20年目を迎えていた。その間、度々の修理が繰り返されたものの、老朽化しており、加えて、同橋以南の道路は明治末期に12間(約21・6メートル)幅に、以北の殿橋―井田間は大正4年(1915)には6間(約10・8メートル)幅に改修されていたが、殿橋の幅員は3間4分(約6・1メートル)で、交通上極めて不便な状況であった。このため、市当局は、大正13年、県に対して架け替えの申請をすることを決定した。また、橋を共用する岡崎電気軌道には架橋費10万円の寄付を要請。電気軌道側は、電車の通行しないときに馬車も軌道部分を自由に通行することを理由に、半額の5万円を寄付することを承諾した。
 岡崎市より申請を受けた県当局は、大正15年(1926)2月12日から工事を着手。昭和2年(1927)7月15日に竣功した。新橋は鉄筋コンクリート造で、橋長62間(約111・6メートル)、幅員9間8分8厘(約17・8メートル)の構造と規模で、総工費は、市と岡崎電気軌道の寄付を含め、24万1523円であった。竣功式は、同年7月19日、小幡豊治愛知県知事を始め、県会議員、県下市町村長などが出席。協賛の花火大会も併せて盛大に行われた。
 折しも、国道1号も部分開通しており、東西南北の路線整備はすぐそばまで来ていた。  
  

  元岡崎市文化財保護審議会会長 渡邉 則雄  


(写真)殿橋渡り初め(昭和2年)北から南をのぞむ。

殿橋渡り初め

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