過去の展覧会 「至高の紫 典雅の紅 王朝の色に挑む」

最終更新日令和5年11月6日ページID 039531

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過去の展覧会 「至高の紫 典雅の紅 王朝の色に挑む」

会 期: 令和5年9月16日(土曜日) から 11月5日(日曜日) まで

みどころ
●    関西以外では初!古代染色の第一人者 吉岡常雄・幸雄の仕事を紹介する回顧展
●    古代史や王朝文学を彩る日本の伝統色を現代に復元した数々の染織品を展示
●    平安時代&古典文学ファン必見!『源氏物語』の登場人物がまとう色彩を再現


ちらし

(画像をクリックするとチラシがご覧いただけます)

 情熱と職人技でよみがえる 色彩が織りなす華麗なる王朝絵巻
 古代、染織品は美と富の象徴でした。そのまばゆい色彩は人々を魅了し、特に紫などは貴重な色として尊ばれました。

現在では失われてしまったこれらの色を追い求めたのが、京都で江戸時代から続く染色工房「染司(そめのつかさ)よしおか」の

4代目・5代目当主にして染色家の吉岡常雄・幸雄親子です。

彼らは、古来の文献をひもとき、美術工芸を学び、世界各地の染織品と技術を訪ね歩いて、自然の染料による日本の伝統色の再現に努めました。

その仕事は、特に社寺の祭祀や、古典文学、中でも『源氏物語』にみる色彩や装束の再現・復元として知られています。

本展では、あくなき探究心と情熱により現代によみがえった王朝の色彩をご紹介します。


 主催 : 岡崎市美術博物館
 制作協力 : 染司よしおか、NHKプロモーション
 会期 :令和5年9月16日(土曜日) から11月5日(日曜日)
 休館日 : 毎週月曜日、9月19日(火曜日)、10月10日(火曜日)
        ※ただし、9月18日(月曜日・祝日)、10月9日(月曜日・祝日)は開館
 開館時間 : 午前10 時から午後5時(入館は午後4時30 分まで)
 会場 : 岡崎市美術博物館
 観覧料 : 一般[高校生以上]1000円(900円)、小中学生 500円(450円)
       ※展覧会限定フリーパス「Limi-pass(リミパス)」は1500円
       ※()内は各種割引および20名以上の団体料金
       ※各種障がい者手帳の交付を受けている方及びその介助者1名は無料
       ※未就学児は無料
       ※岡崎市内在住・在学の小中学生は無料(証明書類をご提示いただく場合があります)
 

展覧会構成    

第1章 日本の伝統色 自然素材の染料

 近代に化学染料が西洋からもたらされるまで、日本では植物をはじめとした、自然の素材を用いて色を染めていました。江戸時代から続く京都の染色工房「染司よしおか」では、化学染料を一切使用せず、古代の染色方法を研究し、自然の染料による色彩を現代に伝えています。本章では、日本の伝統色を生み出した、貴重な染料を紹介します。 

第2章 政(まつりごと)と祈りの色彩

 染色家で染司よしおか4代目当主の吉岡常雄は、染色の原点を知るためには古代の染織品の研究が必要だと考えました。日本の染織品では特に飛鳥・天平時代の染織品の解明に力を注ぎ、その成果は、古代史を彩る色彩の再現や、法隆寺・薬師寺・東大寺といった古代からの大寺院を飾る品々の制作に結実しました。その仕事を継承・発展させて、染色家・染織史家で染司よしおか5代目当主の吉岡幸雄は、東大寺正倉院や寺社に伝わる染織品の復元に取り組みました。こうした寺社に関わる仕事は、東大寺二月堂修二会(お水取り)で供えられる椿の造花用の染和紙の制作など、現在も染司よしおかの工房に引き継がれています。
〔主な展示作品〕
   《薬師寺花会式(はなえしき) 造花》 染司よしおか蔵 

   《東大寺二月堂修二会(しゅにえ) 造花(椿)》 染司よしおか蔵
   《東大寺正倉院 花樹双鳥文夾纈(かじゅそうちょうもんきょうけち) 復元》 染司よしおか蔵

第3章 平安 王朝文学を彩るかさね色

 中国や中央アジアから伝えられた色彩は、平安時代を通して、日本の風土の中で育まれ洗練されました。特に、日本の自然や四季の移ろいを、平安貴族は色の取り合わせである「かさね色」で表現しました。「かさね色」を中心に、平安時代の色彩の再現を目指したのが、吉岡幸雄です。吉岡は多くの王朝文学の中でも特に、『源氏物語』に記された色彩の再現に情熱を注ぎました。平安時代の色彩を今に伝える作品がほとんど現存していない中で、王朝文学や文献の記述を丹念に読み解き、平安貴族が愛した色彩を古式にのっとりながら、職人技と染色家の感性で再現しました。
〔主な展示作品〕
   《かさね色屏風》 染司よしおか蔵
  《五段襲(ごだんがさね) 紅葉の襲(かさね)》 染司よしおか蔵
   《紅花(べにばな)と紅花染の絹》 染司よしおか蔵 
   《住吉詣(すみよしもうで) 官位の色》(『源氏物語』「澪標(みおつくし)」光源氏一行) 2008年 染司よしおか蔵
   《紅梅の袿(うちき)と桜の細長(ほそなが)》(『源氏物語』「若菜上」女三の宮) 2008年 染司よしおか蔵

第4章 吉岡コレクション 幻の色を求めて

 日本の伝統色の再現にあたり、吉岡常雄・幸雄はともに、古今東西の染織品を訪ね歩き、その色と技術を自身の目で見て研究しました。「ものを見る目」を鍛えるよう父である5代目から教わった、と染色家で染司よしおか6代目当主の吉岡更紗は語っています。

  「ものを見る目」を鍛える過程で、常雄・幸雄親子は世界各地の染織品を多数蒐集し、貴重な一大コレクションを形成しました。第4章では膨大な吉岡コレクションの中から、復元の仕事に関する作品を中心に紹介します。
〔主な展示作品〕
   《風紋のかさなり 矢車染(やしゃぞめ)帝王紫(ていおうむらさき)黄金(こがね)白金(しろがね)彩色 訪問着 》 染司よしおか蔵

   《古代印度更紗裂(こだいいんどさらさきれ)(赤星家旧蔵)》 17~18世紀頃 染司よしおか蔵

特別展示
鉄砲鍛冶の国友衆が徳川家康から拝領した小袖
花菱亀甲文辻ヶ花小袖復元
徳川家康の生誕地である岡崎市での展覧会開催に合わせて、吉岡常雄が復元した徳川家康ゆかりの小袖を特別にご紹介します。
〔展示作品〕
   《花菱亀甲文辻ヶ花小袖(はなびしきっこうもんつじがはなこそで)復元》 1984年 染司よしおか蔵


※期間中、一部作品は展示替えを行います。
前期展示:9月16日(土曜日)から10月9日(月曜日・祝日)/後期展示:10月11日(水曜日)から11月5日(日曜日)
※展示品の一部に撮影いただけない作品等がございます。詳細は事前にお問合せください。
 

【大河ドラマ館連携割引】
 当館「至高の紫 典雅の紅 王朝の色に挑む」展の観覧チケット半券を「どうする家康 岡崎 大河ドラマ館」の受付に、

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※半券一枚につき1回限り、2名様まで。他の割引の併用不可。

関連イベント

講演会(事前申込制)

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終了しました。

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「王朝の色に挑む」
 講師:吉岡更紗氏(染色家、染司よしおか6代目当主)
 日時:10月29日(日曜日)午後2時から3時30分
 場所:当館1階セミナールーム
 参加費:無料
 申込締切:9月29日(金曜日)必着
 定員:50人(応募多数の場合は抽選)

ワークショップ(事前申込制)

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終了しました。

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「柿渋でトートバッグを型染めする」
渋柿を青いまま収穫した後、擦りおろして2年ほど自然発酵させたものを柿渋液といいます。その液は塗ると表面が漆のように艶やかで、素材を強くする効果があります。
今回は、好きな柄に彫った型紙を使って、柿渋液でエコバッグを擦り染めします。穏やかな色調に染まった柿渋色は、太陽の光で濃さが増し、使い込むほどに味わいが出てきます。 
 講師:吉岡更紗氏(染色家、染司よしおか6代目当主)
 日時:10月9日(月曜日・祝日)午後1時30分から3時
 場所:当館地階作業スペース参加費:3000円

 申込締切:9月22日(金曜日)必着
 定員:10人(応募多数の場合は抽選)
 

映画上映会(事前申込制)

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終了しました。

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 「紫」
 染色家であり、京都の染色工房「染司よしおか」5代目当主の吉岡幸雄。日本古来の天然染料への回帰を決意した吉岡は、古今東西の染織品に学び、日本の伝統色の復元に情熱を注ぐ。吉岡の仕事と「染司よしおか」工房の日々の姿を捉えたドキュメンタリー映画。(2011年/日本/77分/川瀬美香)
日時:10月21日(土曜日) 1.午前10時30分、2.午後1時、3.午後3時 (各回完全入替制)
場所:当館1階セミナールーム
参加費:無料
申込締切:9月29日(金曜日)必着
定員:各回50人(応募多数の場合は抽選)

ギャラリートーク(事前申込不要)

日時:9月29日(金曜日)、11月3日(金曜日・祝日) 各日とも午後2時から午後3時
会場:当館1階展示室
参加費:無料(※ただし、当日の観覧チケットが必要です)
担当:当館学芸員
 

 

 

関連資料

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お問い合わせ先

美術博物館

電話番号 0564-28-5000ファクス番号 0564-28-5005

〒444-0002岡崎市高隆寺町峠1番地
開館時間 10:00から17:00まで(最終の入場は16時30分まで)