過去の展覧会 藤井達吉の全貌

最終更新日平成26年8月8日ページID 017526

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企画展

「三河浄土宗寺院の名宝 ―浄土へのいざない―」の画像

藤井達吉の全貌 野に咲く工芸・(そら)を見る絵画
平成26年4月5日(土曜日)から6月1日(日曜日)

 

 近代化が進み、人々の暮らしが大きく変わろうとしていた大正・昭和初期の日本において、時代

の傾向を肌で感じとりながら、「工芸」の世界に新風を巻き起こした藤井達吉(1881-1964/明治14-昭和39)。愛知県碧海郡棚尾村(現碧南市)に生まれ、後年、小原和紙や瀬戸の陶磁器など、郷土工芸・郷土美術の再興にも尽力したことから、長らくこの時代を代表する工芸家として顕彰されてきましたが、近年、東京を拠点にした時期の先駆的な活動が詳らかになるにつれ、いっそうその評価が高まっています。

 藤井は、分業と技術偏重を特徴とする旧来の職人主義的な工芸観を排し、自然の観察に基づ  いて作家が自ら模様を生み出し、制作までを一貫して行うべきことを謳いました。それは、工芸が「芸術」として自立する道を模索した、この時代の新進の工芸家たちに共通する思いでもありました。こうして藤井は、従来はほとんど見向きもされなかった薊(あざみ)や羊歯(しだ)、鶏頭(鶏頭)などの身近な植物を模様のモチーフとして取り上げながら、七宝、象嵌、刺繍、染色、金工など、あらゆる技法を用いて、手箱や盆、帯や着物といった身の回りの品々から、図案集、装幀、さらには日本画まで、多様な作品を手がけることとなります。このような藤井の制作態度にはまた、「生活の芸術化」を志す、一貫した信念がありました。『主婦之友』に「手芸」

についての連載を行うなど、家庭生活を豊かにするために、広く素人である主婦の啓蒙に尽力したことも、藤井の大きな功績の一つと言えるでしょう。

 本展では、多様な技法を駆使して制作された工芸作品に、初期の油彩画、また工芸の傍らで熱心に取り組んだ日本画や後年の継色紙、さらには図案集、装幀も加えて、藤井達吉の全貌をご紹介いたします。藤井の特異で、飽くことのない魅力にあふれた作品の数々を、多くの方にご堪能いただければと思います。

開館時間

10時から17時

観覧料

一般:1000円(団体料金:800円)
小中学生:500円(団体料金:400円)

休館日

月曜日(但し5月5日【月・祝】は開館、5月6【水】は休館)

主催

岡崎市美術博物館

講演会

平成26年4月20日(日曜日)瀬尾典昭氏「藤井達吉の工芸と特異性」

平成26年5月18日(日曜日)土田眞紀氏「生活と自然の再発見-藤井達吉と大正期の工芸」

ギャラリートーク

平成26年4月13日(日曜日) 4月26日(土曜日)  5月10日(土曜日) 午後2時から

ワークショップ

「いろとりどりにチクチクぬぅよ テクテクたびするワークショップ」

平成26年5月3日(土曜日・祝日) 午後1時から4時30分まで

講師 スサイタカコ氏(美術作家)

 

 

お問い合わせ先

美術博物館

電話番号 0564-28-5000ファクス番号 0564-28-5005

〒444-0002岡崎市高隆寺町峠1番地
開館時間 10:00から17:00まで(最終の入場は16時30分まで)