過去の展覧会 鶴田卓池と三河の俳諧―蕉風俳諧の系譜

最終更新日令和元年11月23日ページID 025153

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企画展(

ちらし表面

鶴田卓池と三河の俳諧―蕉風俳諧の系譜

令和元年9月28日(土曜日)から11月10日(日曜日)

 三河地方には鶴田卓池が自ら絵を描き俳句の賛を入れた掛軸・扇子・屏風が各地に伝わっています。そのことは卓池が多くの人に慕われたことを物語っています。卓池は江戸時代後期に三河で活躍した俳人です。岡崎菅生の紺屋に生まれましたが、俳諧で頭角を現し、三河を代表する存在になります。その系譜は松尾芭蕉の蕉風開眼の地とされる名古屋でその伝統を引き継いだ加藤暁台、さらに井上士朗に師事しました。士朗亡きあとは三河や遠州にも多くの門人を擁し、広く名が知られるようになりました。俳句の天保四老人の一人に数えられることもあります。

 本展は松尾芭蕉から卓池登場に至るまでの三河俳諧の歴史を辿るとともに、卓池の生涯を画賛の作品と句集で紹介します。卓池以外の天保四老人が江戸・京に出たのに対し、卓池はあくまで岡崎を活動の拠点としました。その点は地方の時代を開いた先駆者ですが、その蕉風継承者としての存在は地方文人の域を越え、高く評価されるべきでしょう。軽妙な卓池の俳画と俳句の魅力をお楽しみください。

かゞやきの ますばかりなり けふの月  卓池

開館時間

10時から17時

観覧料

一般: 500円

小中学生: 250円

休館日

月曜日※ただし10月14日(月曜日・祝日)、11月4日(月曜日・祝日)は開館
10月15日(火曜日)、11月5日(火曜日)

主催

岡崎市美術博物館  中日新聞社

協賛

岡崎信用金庫

展示構成

  • 第1章 三河蕉風の始まり
    松尾芭蕉の名古屋での蕉風開眼に始まり、加藤暁台・井上士朗の中興俳諧を経て、鶴田卓池に至る蕉風の系譜をたどります。暁台の芭蕉への回帰の動向などを三河地域にさぐります。
  • 第2章 鶴田卓池の生涯と句集
    俳人鶴田卓池の生涯を卓池が関与した句集を紹介しながら辿ります。三河での俳人としての中心的存在、さらには天保四老人として全国的に名をはせるに至る卓池の存在を紹介します。 
  • 第3章 鶴田卓池の絵画と句賛
    三河地域には画賛軸が多く伝わり、卓池の俳句宗匠としての人望を伝えています。ここでは卓池の晩年に作成されたとみられる自ら絵を描き、それに句賛を入れた軸物・扇面などを紹介します。 
  • 第4章 大礒文庫
    芭蕉・卓池研究者である愛知教育大学名誉教授大礒義雄収集の和本書籍は岡崎市に寄付され、大礒文庫として岡崎市美術博物館に収蔵されています。ここでは、文庫のなかから主なものを紹介します。

講演会

(1) 「江戸時代前期の岡崎の俳諧―岡崎と蕉風―」 

日時/令和元年10月5日(土曜日) 午後2時~
講師/服部直子氏(愛知県立大学非常勤講師)

(2) 「俳人卓池の人と作品―俳と画と旅―」

日時/令和元年10月27日(日曜日)  午後2時~ 
講師/加藤定彦氏(立教大学名誉教授)

バスツアー「芭蕉・卓池の句碑をめぐる」

松尾芭蕉や鶴田卓池にかかわる岡崎市内の句碑や寺院をめぐり、卓池と郷土の歴史を探ります。
日時:令和元年11月2日(土曜日)午後0時30分~午後5時
コース:美術博物館発→満性寺(菅生町)→安心院(明大寺町)→誓願寺(矢作町)→西光寺(鴨田町)→美術博物館着

子ども向けワークショップ「びょうぶってなあに?」

展覧会を鑑賞して、屏風の仕組みを学びながらミニ屏風づくりをします。
日時:令和元年10月14日(月曜日・祝日)・11月4日(月曜日・祝日)
いずれも午前10時30分~、午後2時~(各回約1時間30分)
対象:小学校4~6年生

展示説明会

令和元年10月6日(日曜日)、10月20日(日曜日) 
各日ともに午後2時から

担当 当館学芸員

 

 

お問い合わせ先

美術博物館

電話番号 0564-28-5000ファクス番号 0564-28-5005

〒444-0002岡崎市高隆寺町峠1番地
開館時間 10:00から17:00まで(最終の入場は16時30分まで)