市長定例会見(令和3年9月21日開催)
令和3年9月21日に開催された市長定例会見です。
内容は以下のとおりです。
ワクチン接種の取り組みについて
愛知県の緊急事態措置の期限が9月30日までに延長され、県内全域で感染拡大防止の取り組みが継続しています。
本市では、8月中旬以降、新規感染者が急増し、高止まりの状態が続いていましたが、9月以降は減少に転じ、ここ1週間は比較的落ち着いた状況となっております。市民・事業者の皆様の感染拡大防止へのご協力と、ワクチン接種の進行によるものと感謝申し上げます。
しかしながら、まだまだ安心できる状況ではありません。気を緩めることなく、一人ひとりが感染防止対策の徹底を継続いただくようお願いいたします。
本市のワクチン接種ですが、9月20日時点の接種率が1回目約72%、2回目約55%と、順調に進んでおります。市民の皆様はもとより、岡崎市医師会、岡崎歯科医師会、岡崎薬剤師会をはじめとする医療従事者の皆様や、会場運営や接種記録の作成をいただいております地元企業など多くの皆様のおかげと、改めて感謝申し上げます。
本市では年齢の高いかたから順に接種を進める中で、基礎疾患をお持ちのかた、妊婦のかた、重症化リスクの高いかたへの優先接種に加え、高校生への優先接種など、市民病院を有する強みも生かしながら、皆様が安全・安心に接種いただけるよう取り組んでいます。
9月14日からは、これまでの公共施設型接種、愛知県の大規模接種会場に加え、「医療機関併設型接種会場」として、高い医療サービスを提供している市内4病院のご協力をいただき、さらなるスピードアップを図ってまいります。
本日、ワクチン関連で2つの内容について発表をさせていただきます。
「無料託児サービス付きワクチン接種予約枠」について(資料はこちらのページをご覧ください。)
9月から図書館交流プラザにて、接種時の無料託児サービスを実施しておりますが、10月からは接種と託児サービスの予約を同時に取れるようにすると共に、託児の対象も生後6カ月以上~未就学児までに拡大してまいります。予約方法等詳細は資料をご確認ください。
「12歳から15歳のかたへのワクチン接種券の発送」について(資料はこちらのページをご覧ください。)
接種券の一斉発送を9月29日に行います。11月以降に12歳になるお子さんは11月上旬に発送予定です。
接種券が届きましたら案内文をよくお読みいただき、接種を受けるか判断していただきたいと思います。予約はこれまでどおり、専用サイトかコールセンターからお願いします。
加えて、障がいをお持ちのかたに対しては、集団行動に不安があるお子様でも気兼ねなく接種できるよう、総合学習センターに専用会場を設け、10月中旬から接種を行います。対象は市内にお住まいの放課後等デイサービスに通われる12歳から15歳のかたです。会場には障がいのあるお子様への対応に高い専門知識を有するかたをスタッフとして配置することで困り事に対応できるよう、関係者にお願いしていきます。予約方法など、詳細は決定次第お知らせしてまいります。
また今後、みあい特別支援学校に通われるお子様の接種についても、調整を進めてまいります。
様々な事情のあるかたにも安心して接種していただける体制により、引き続き、誰一人置き去りにすることのないワクチン接種の推進をしてまいります。
カーボンニュートラルの実現に向けた体制について
近年、気候変動に伴う災害の大規模化や激甚化がかつてないスピードで進んでおり、気候変動に対する取り組みは全世界的な急務となっています。2015年に採択され、翌年に発効したパリ協定や2019年開催の国連気候行動サミットなど、国単位での取り決めが行われる一方、民間セクターでも多くの企業がパリ協定にもとづく独自の基準を設定して事業活動を行う動きも見られます。
わが国における「カーボンニュートラル」への取り組みは、2020年10月26日の第203回臨時国会の所信表明演説において菅義偉内閣総理大臣が「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言。これが日本における「カーボンニュートラル」最大の指針となっています。
カーボンニュートラルの実現に向けては、2030年までの今年を含めた10年間が重要であるとされており、国では、2030年までに地域ごとに再生可能エネルギーの導入などで脱炭素先行地域づくりを進め、各地域で次々と脱炭素を実現する「脱炭素ドミノ」を生み出すものとして今後の方向性を示しています。
「ゼロカーボンシティ推進室」の設置について(資料はこちらのページをご覧ください。)
本市はこうした社会の潮流を受け、カーボンニュートラルの実現に向け、10月1日付けで環境部に「ゼロカーボンシティ推進室」を設置することとしました。
既に本年8月1日には私を本部長として「ゼロカーボンシティ推進本部」を立ち上げたところですが、「ゼロカーボンシティ推進室」を本部の事務局とし、ゼロカーボンシティの実現に向け、地域特性や自然環境、産業構造などを総合的に勘案した施策を全庁的に推進する体制を構築します。
また、推進室を設置することにより、本市の所管窓口を明確にし、民間企業の取り組みにおける相談支援の強化や最新技術の開発動向の情報収集も強化するなど対外的にも取り組み姿勢を表出できるものと考えます。
こうした新たな体制で本市が取り組みたい脱炭素戦略としては、カーボンニュートラルな市街地の形成、再生可能エネルギーの活用、そしてこうした取り組みによって地域経済の活性を進めてまいりたいと考えています。
さらには、事業者の新たな取り組みへの支援や協力、市民への啓発などを行い、カーボンニュートラルに向けた取り組みを一層加速し、国が掲げます「地域脱炭素ロードマップ」の「脱炭素先行地域」に選定されることも目指してまいります。
市民意見聴取(どうする太陽の城跡地)中間報告について(資料はこちらのページをご覧ください。)
市民参加型市政のモデルとして進めております、「太陽の城跡地活用」の市民意見聴取について、中間報告をさせていただきます。
太陽の城跡地の活用に対しては、この敷地だけにとどまらず、康生町や東岡崎駅周辺といった都市の再生が求められている中心市街地の拠点としてどうあるべきか、どう活用すべきか、という観点も含め、大変多くの皆様が関心をもっておられ、これまでに、各種団体や中学・高校・大学の学生等との意見交換会、公募型の市民広聴会『ほっとミーティング』や公募型の団体広聴会、アンケートを通じて、約2,300人のかたからご意見を承ってきました。
これまでにいただいた意見
いただいたご意見は、資料1~4ページにありますように「現行計画どおりにやる」「現行計画を変更する」「全てを中止して何もしない」の3択で言いますと、「計画どおり」というご意見から「中止」というご意見まで本当に幅広く、様々なご意見があって、そのどちらかが市民から求められているということではなくて、むしろ、その中間にある、現行計画を変更して、市民の声を反映した活用をしていくというところに最適な答えがあるのではないかと感じており、どのあたりが市民の声の最大公約数であるかを我々行政はしっかりと捉えていかなければならないと考えております。
ご覧のとおり、様々な意見があり、まとめることができるのかと思われるかもしれませんが、意見をまとめるというよりは、ある時点での意見を整理して手掛かりを見出し、それについて更にご意見をいただくという作業を積み上げてきた結果、少しずつではありますが、大きな方向性を見出すことができ、手応えを感じております。
それを、端的に表現するならば、「コンベンションだけではもったいない。もっと様々な使い方を加えたら、あるいは付加価値を加えたら」というものです。つまりは、太陽の城跡地の活用に対する市民意見の多くは、『会議をする場所も必要だが、コンベンションだけではもったいない、子供から高齢者まで多くの市民が気軽に日常的に使える場所であってほしい』という意見に総括できるのではと考えております。
意見の整理
この大きな方向性のもと、相対立するようなご意見も含めて、具体的にどういう空間の使い方が求められているのかを整理していくため、これらのご意見を、「太陽の城跡地活用」という目的のもとに、「マンダラート」という手法を活用して整理したものが資料5ページです。中央に記載しております、「太陽の城跡地活用」を中心に、「フォーマル」「アトラクティブ」「カジュアル」「クローズ」「オープン」「インドア」「インクルーシブ」「アウトドア」の9つのキーワードを導くことができました。
事業の方向性のイメージ
さらに、このキーワードを手掛かりに、伝統的な日本家屋にある「土間」といった空間の活用の仕方に、答えがあるのではとの考えに至りました。資料6ページに記載のとおり、奥の畳の居間で、障子や襖など建具で空間を仕切り、お客様をおもてなしする使い方ができ、手前の土足の空間では近所の人と立ち話のような日常の使い方ができる。戸を開けば、内と外がつながる広い空間になって、アウトドアとインドアの双方の利用ができる。そんな「土間」のような時々で使い方の融通が利く場所になれば、皆様の意見を体現できるのではないかと考え、現段階での活用イメージをパースにしたものが資料7ページです。
「いつもの場、日常」であって「特別の場、非日常」にもできる場所、また、会議などの「フォーマル」でも使えて、カフェなどの暮らしの「カジュアル」でも使える場所、河川緑地や街などにつながるオープンな「アウトドア空間」でもあり、囲まれたクローズな「インドア空間」でもある場所、この一見、対極にあるような使い方のイメージを、欲張りかもしれませんが、両方とも実現することにより、市民が望むものとして、少しでも共感や納得感が得られるものになるのではと考えております。
例えば、会議をする場所としての活用を考えたとき、豊かな乙川の自然環境と、歴史と伝統を感じる岡崎城を望む絶好のロケーションを活かして、これまでの会議室といったインドアでの会議に加えて、これからの時代、この大屋根のある屋外空間や、更には乙川の河川敷も活用したアウトドアな会議のスタイルを、岡崎から広めていくこともできるのではないでしょうか。
また、意見聴取を重ねる中で、特に、岡崎の強みである教育や子育ての観点からのご意見がたくさん寄せられております。このことから、子供たちの教育にとって知的好奇心を満たすのに役に立つもの、あるいは家族で楽しめるもの、そのことが中心市街地の活性化、賑わいの創出に繋がるのではないかという方向性も見えてまいりました。
これに関しては、例えば、ご意見の一つに、プラネタリウムの設置がありますが、これまでの星の学習だけではもったいない。ここでは、球形のドームのディスプレイを用いた印象的なプレゼンテーションが可能な会議をすることができたり、あるいは郷土の偉人・家康公や花火などの岡崎固有の歴史や伝統を、最新のデジタル技術を駆使した映像により紹介することで、没入感と臨場感あふれる体感型の機会を提供するなどの活用の仕方も考えられるのではないかという提案もありました。
意見の中には、「もっと時間をかけて取り組むべきだ」との声もありますが、私は、これほど、一つのテーマに限って濃密に市民の意見を聴いてきた例はなく、十分に時間をかけていると思っておりますし、市民が望むものは、早期に実現することも市の責務であると考えております。重要なのは、多くの方々に関心を持っていただけるこの旬を逃さずに、広く市民の意見を聴き、結果を掴むことであります。
今後のスケジュールについて
市民の皆様への意見聴取は今月末で一区切りとし、乙川リバーフロント地区まちづくりデザインアドバイザーへの意見聴取も経て、12月末までに最終的な市の方向性を決定してまいりたいと考えております。
意見聴取の内容や経過は、市のホームページで詳細を公表しており、どなたでもご覧いただけますので、引き続き、アンケートなどを通じて率直なご意見をお寄せいただき、市民の皆様が望むもの、税金の使い方として容認されるものにしていきたいと考えております。