市長定例会見(令和3年10月18日開催)
令和3年10月18日に開催された市長定例会見です。
内容は以下のとおりです。
新型コロナウイルスに関する現状と新たな取り組みについて
まず新型コロナウイルスに関する現状と、新たな取り組みについて、お話をさせていただきます。
新型コロナウイルスに関する現状
ご存じのとおり、感染症の第5波は収束傾向となり、愛知県の厳重警戒措置が昨日をもって解除となりました。
感染予防のカギを握るワクチン接種も、本市においては10月15日時点で、対象者の約8割が1回目、約7割のかたが2回目を完了しており、着実に進んでいる状況です。また、抗体カクテル療法や飲み薬の開発など、新たな治療法についても進展しつつあり、終息に向けて期待をしているところであります。
とはいえ、まだまだ感染症のリスクは続いており、今後も社会経済活動とのバランスをとりながら、感染拡大の防止に取り組んでいくことが不可欠となります。
新たな取り組み(資料はこちらをご覧ください。)
このような中、国は感染症対策と経済の回復を両立させる観点から接種証明書などを活用したワクチン検査パッケージの取り組みを開始しています。
そういった動きがある一方、基礎疾患があるなどの理由でワクチン接種ができず、自分が感染している可能性や、知らないうちに周りに感染を広げてしまうかもしれないといった不安を抱えているかたへの対応も重要と考えております。
そういったかたの不安を少しでも緩和できるよう、本市では、ワクチン接種ができないかたなどを対象としたPCR検査『安心検査』を、11月2日から実施することとし、10月19日から予約受付を行ってまいります。
先ほども述べたように、現在は感染状況が落ち着いておりますが、市民・事業者の皆様には、気を緩めずに、基本的な感染防止対策の継続をお願いいたします。安心な日常生活と活力ある社会経済活動を取り戻すため、ご理解とご協力をお願いいたします。
市長就任後1年の振り返り
ちょうど1年前の10月18日の市長選挙において、市民の皆様からの力強いご支援により、初当選をさせていただきました。そして10月21日に市長に就任してから、間もなく1年となります。
就任して以来、私が一貫して訴えてきたこと。それは、市民の皆様と行政とが同じ目線で同じ方向を向いて、市民の皆様のお声を十分に聞き、市民の皆様のご理解とご納得をいただくことであります。
市民お一人お一人に徹底的に寄り添い、市民の皆様の夢や希望の実現、しあわせづくりを、全力で応援することを目指し、この1年間、職務に邁進してまいりました。
この場をお借りしまして、この間ご支援いただきました市民の皆様、市議会議員の皆様、各種団体の皆様など、すべての市民の皆様にお礼申し上げます。
さて本日は、先月の記者会見の中で、この1年を振り返った所感をお尋ねいただきましたので、貴重な時間をいただき恐縮ですが、総括的な振り返りをさせていただければと思います。
ワクチン接種の主な取り組み
正直な感想を一言で申し上げれば、「コロナとワクチンの1年だった」というのが、私の率直な思いでございます。
付け加えますと、ワクチン接種の当事者として、与えられた裁量の大きさと、責任の重さを実感した1年でありました。
特に、8月下旬から9月初旬にかけて、1日の新規感染者が100名を超えた時期は、保健所職員や、市内の医療機関の皆様には相当な苦労があったと思います。現在は、新規感染者数も比較的落ち着いており、ワクチン接種も順調に進んでおります。昨日で、愛知県の厳重警戒措置も解除され、徐々に日常の生活を取り戻しつつあります。
しかしながら、今後は第6波への懸念があります。気を緩めることなく、一人ひとりが感染防止対策の徹底を継続いただくようお願いいたします。
国の方ではワクチンの追加接種が検討されております。岡崎市医師会、岡崎歯科医師会、岡崎薬剤師会をはじめとする医療従事者の皆様にはこれまでも大変なご尽力をいただき、感謝しておりますが、引続き、お力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。
本来、ワクチン接種業務というのは「法定受託事務」でありまして、私たち市町村は、決められたルールのもとで、国の代わりに行政サービスを提供することになります。
普通の感覚で言えば、どの市町村も同じように進んで当然な筈ですが皆さんご承知のとおり、実際は様々なやり方が生まれています。
集団接種が本格的に動き始めたのは5月の連休明けになりますが、当時は「一刻も早くワクチンを打って安心したい」というニーズが一番で、現場としては「いかにスムーズに予約をするか」ということに力を入れておりました。
今ではだんだんと接種が進み「ワクチンを打ちたいのに、打ちに行けない」というかたに寄り添ったやり方を提案できているかどうかが問われているように感じます。
具体的には、ご高齢のかたの予約が始まった5月には、スマホを使ったWEB予約サポート隊「ワクサポ」を始めたところ、12日間で2,000名のかたにご利用いただけました。
電話も繋がらないしスマホも使えないと、お困りのかたも多くおみえになりました。対面予約をしたところ「やっと予約ができて安心した」というお声もいただきました。
予約枠に余裕が見えるようになった9月には、りぶらで「無料託児サービス付ワクチン接種」を始めました。
また昨日からは、障がいをお持ちのお子様向けに、予約人数を少なく、ゆるやかに接種を受けることのできる「思いやり接種」を始めております。
ワクチン接種については、医師会、歯科医師会、薬剤師会を始めとするスタッフのかた、会場をご提供いただいた三菱自動車、愛知県西三河事務所などのご協力、そして藤田医科大学、愛知医科大学、市内の医療機関の皆様の格別なご尽力をいただき、10月末までには接種対象の 8割を超えるかたが1回目の接種を終える見込みとなりました。
皆様方のこれまでのご協力に対し感謝を申し上げますとともに、行政を預かる立場としては、接種率という数字だけではなく、打ちに行けない事情をお持ちのかたに寄り添ったやり方ができているかどうかを、しっかりと意識しながら進めてまいりたいと考えております。
経済支援の主な取り組み
コロナ対策は、ワクチンだけではありません。医療、福祉、様々あると思いますが、経済対策も大きな課題の一つでございます。
市長選挙で、私は一律5万円をお戻しするという公約を掲げてまいりました。当時は国の特別定額給付金の支給から時間が経っており、年末年始を控え、一刻も早い経済支援が必要という考えで「年内に一律に支給する」という提案をさせていただきました。
市議会からも数々のご指摘をいただき、否決となりましたが、その後、一律支給ではなく、困っているかたに寄り添い、より細やかに政策を提案させていただくことで、個別の経済支援支給については実現しております。
実現した主な取り組み
・ 新生児の健やかな成長を支援するため、今年度に生まれた新生児に対し、支援金50,000円を支給する「すくすく赤ちゃん特別支援金」支給。
・ 子どもの新入学を迎える家庭の経済的負担の軽減を図るため、今年度に入学した小学校新1年生及び中学校新1年生に対し、3,000円分の図書カードを配付する「新入学児童・生徒就学支援」を実施。
・ 75歳以上の高齢者で住民税非課税のかたに対し、2,000円分のクオカードを配付する「高齢者生活支援」を実施。
・ 「愛知県感染防止対策協力金」の支給対象から外れた飲食店等に対し、感染防止対策への取り組みを条件として、一店舗あたり10万円の市独自の協力金「新型コロナウイルス感染症対策協力金」を交付。
・ 地域経済再生・活性化支援業務として、キャッシュレス決済ポイント還元やデリバリー支援事業を実施。
・ 民間の医科医療機関の従事者への応援として、1人あたり5,000円分のクオカードを配布する「民間医科医療機関従事者等応援制度」を実施。
・ その他に水道料金減額、修学旅行キャンセル料補助、市民活動リスタート支援、学校給食費食材値上がり分公費負担、特別職月給10%カットを実施。
こうしたことなどにより市民生活に寄り添い、より細やかに市議会にご説明を申し上げることで、様々な個別の経済支援を実施させていただくことができました。
先日、岸田総理大臣の就任記者会見の中で、次のように述べておられました。
「コロナ禍において大変苦しんでおられる弱い立場の方々、女性や非正規あるいは学生の皆さんといった、こういった弱い立場の方々に個別に現金給付を行う」。
国においても、一律給付でなく、個別給付を重視していく方針であると感じております。
本市においても、市民の皆様のお声を十分に聞き、行政が同じ目線で同じ方向を向いて政策を立案し、市議会、そして市民の皆様に丁寧に説明申し上げ、ご理解とご納得をいただくよう、努めてまいります。
その他の主な事業
・ 公共調達を通じて、地元企業の育成と地域経済の発展につなげることを目的とする「地元企業優先調達条例」を制定。その他、成年後見制度利用促進協議会条例など、必要な条例の改正。
・ 外出機会を減らして小さなお子さんを育てていらっしゃる家庭を支援するため、自宅に居ても図書館の本を利用できるサービス「絵本の宅配便」を実施。
・ 勤労文化センターを利活用した「社会福祉センター」を開館、鑑賞環境と安全性を向上させ、バリアフリー化を実現した「せきれいホール」をリニューアル、安全で快適な教職員の研修及び市民の生涯学習活動のため、「総合学習センター」をリニューアル。
・ イオンモール岡崎の市民サービスコーナーのサービス内容の拡大。
・ 2023年大河ドラマ「どうする家康」の放送決定を受け、ドラマの活用に、全庁を挙げて取り組む内部組織「どうする家康活用推進本部」を立ち上げ。また、ライトノベル「鋼鉄城アイアン・キャッスル」とタイアップし、新たな徳川家康公を活用した観光プロモーションも実施。
・ 防災備蓄品を活用した生理用品を無償配布やアルバイトや仕送りが減少したことで困っている学生の皆様へ食料品をお届けするフードドライブを実施。
・ 障がい者施策として、おかざき世界子ども美術博物館で、障がいのある子どもたちのどこまでも自由な、あふれる想像力によって制作された作品を展示する「子どもたちのアール・ブリュット」を開催。
・ 世界・全国レベルで活躍する選手・チームを発掘し、地域ぐるみで支え、応援できるように「岡崎アスリート支援事業」を実施。
・ 2050年ゼロカーボンシティの実現に向けた体制を強化するため、ゼロカーボンシティ推進室を新設。
・ ほっとミーティングやアンケート調査による市民の声の集約。
・ パートナーシップ制度を男女共同参画推進審議会へ諮問。
・ 学校体育館などトイレの洋式化の推進。
・ できるところから渋滞解消への取り組みの推進。
・ 東岡崎・本宿駅など拠点の着実な整備。
・ 矢作川避難計画など、防災の取り組みを強化。
・ 福祉総合相談体制整備を行い、誰一人取り残さない福祉行政の推進に着手。
・ 30人学級実施検討会議での充実した議論。
・ 校内フリースクールの拡充。
・ がん患者アピアランスケアの実施。
・ 中山間対策として地域商社設立に向けた取り組み。
・ 創業起業案内窓口開設。
近年、行方不明になった高齢者や子どもが、乙川にてご遺体として発見されるという痛ましい事例があったことを受け、乙川沿いの防犯カメラを増設し、監視体制を強化しました。
また、現在パブリックコメントを行っているのが、「岡崎版市民参加型市政」づくりです。パブリックインボルブメント手法をどのように導入するか市民の皆様のお声を聞いております。
「太陽の城跡地活用」につきましては、市民の皆様への意見聴取が概ね終了し、これまで約2800人の皆様からいただいたご意見をもとに、最終的な市の方向性をとりまとめる作業を、12月末の完了を目標に進めているところです。
1年の総括
繰り返しになりますが、この1年を総括しますと、市民お一人お一人に徹底的に寄り添い、市民の皆様の夢や希望の実現、しあわせづくりを、全力で応援することを目指し、職務に邁進してまいりました。
このことを通じて感じるのは、市民の皆様の生活上、経済活動上の課題は、とても多様かつ複合的で自分自身の無力さを思い知らされ、立ちすくむようになることがございますが、自分に課された、社会に存在する市民の皆様の生きづらさの解消のため、岡崎市役所の総力をあげ、つまりは「チーム岡崎」で、できることから一つ一つ取り組み、結果を出していきたいと決意を新たにしています。
任期は残り3年です。1日1日を大切にし、市民のしあわせづくりを全力で応援し続けてまいりますので、今後ともご協力をよろしくお願い申し上げます。