市長定例会見(令和4年5月24日開催)
令和4年5月24日に開催された市長会見です。
内容は以下のとおりです。
農業用の臨時水の無償提供について(資料はこちらからご確認ください)
5月17日未明に発生しました明治用水頭首工の大規模漏水により、農業用水や工業用水の給水地域である西三河地域の農業や基幹産業である自動車産業などが大きな影響を受けています。東海農政局が5月中を目標に行う全面再開までの間、市では、緊急対策として、筒針町の「岡崎鹿乗排水機場」の遊水地に溜まっている約1,000立方メートルの雨水を農業用の臨時水として提供いたします。
現在、本市で影響を受けている農地の全体量を確保することは難しいですが、今回の緊急対策として活用するため、遊水地に直径50ミリメートルの揚水ポンプ3台を準備いたしました。現地での給水のため、貯留タンクを所有する農家のかたに限られてしまいますが、本日24日は13時から16時30分、明日25日以降は9時から16時の時間帯で、当分の間、緊急的な農業用の臨時水の無償提供を実施します。
岡崎城の展示リニューアルについて(資料はこちらからご確認ください)
大河ドラマ「どうする家康」の放送が8ヶ月後に迫ってまいりました。本市では、岡崎をアピールする、岡崎を元気にする、絶好の機会と捉え、大河ドラマ館の設置をはじめ、様々な施策を講じているところです。この度、来年1月に向けてリニューアルを行う岡崎城の展示内容が具体的になってまいりましたので、ご説明いたします。
こちらの資料をご覧ください。施設の概要と、現在の開館時間等は記載のとおりでございます。
岡崎城の展示改装ですが、昭和34(1959)年4月の開館以降、これまでに2回の展示改装を行っており、平成3(1991)年度に家康公生誕450年を契機とした、大幅な展示内容のリニューアルを実施。その後、平成19年度には、耐震工事に伴う展示改装を行っております。今回は、平成3年度以来の大幅な改装であり、展示改装費は、1億7,777万1千円です。
今回の改装では、1階から5階の展望フロアまでを、「過去の城郭・城下町と、現在の岡崎がつながる」よう、ストーリー性のある内容に再構築します。そして、岡崎城の魅力や、岡崎の歴史文化をわかりやすく感じていただくことで、訪れたかたが、岡崎のまちを回遊したくなるような、ワクワクする、楽しめるものにしたいと考えています。また、改装により新しく導入する映像コンテンツは、入れ替えが可能で、何度訪れても楽しめる仕掛けを施すことにより、リピーターの獲得、拡大を図っていきたいと考えております。
各フロアの見どころを紹介しますと、1階のエントランスには、天守の遺構を集約し、当時の天守の面影を感じられるものといたします。2階は、「岡崎城の城郭と歴史」にスポットをあて、城郭の特徴を分かりやすく理解していただけるよう、既設の城郭模型を活用しつつ、新たにプロジェクションマッピングを導入します。床面に表示された、いくつかのポイントに立つと、城郭の特徴を映像・音声で解説し、実際に現地を歩いてみたくなるような内容にいたします。3階は、「岡崎城下の賑わいと文化」を、ジオラマとAR(拡張現実)の技術により疑似体験ができるようにしてまいります。岡崎を代表する、石工、八丁味噌、花火など、現在につながる産業文化を紹介します。4階には、シアタールームを設置します。床面に投影された城下町のマップを歩くと、いくつかのポイントで、様々な映像が現れ、江戸時代の城下町と、現在のまちを比較・体感できます。また、この映像コンテンツは、先ほど申し上げたとおり、入れ替えが可能であり、リニューアルオープン後も、様々なテーマで趣向を凝らした映像体験が楽しめます。最上階の5階では、市内を展望いただきながら、デジタルサイネージを使用し、市内の回遊を楽しみたくなるような魅力的な情報を発信してまいります。展示については以上となりますが、あわせて、天守のお色直しとして、外壁面の塗装を行います。また、付櫓のトイレを1基増設し、洋式トイレを2基とすることで、利便性を向上させます。
これらの展示改装などを行うため、岡崎城は、6月16日から翌年1月のドラマ館オープンまで休館します。また、天守の外壁塗装を行うため、足場を設置し、覆いますので、7月から10月末までの4カ月間、外観をご覧いただくことができなくなります。
当分の間、ご迷惑をお掛けしますが、この改装で、より一層、岡崎の歴史文化に興味が湧くようエンターテイメント性を高め、多くの皆様に楽しんでいただけるものにしてまいりますので、ご期待ください。
株式会社アイシンとの送迎サービスを活用した子育て支援事業の実証実験について (資料はこちらからご覧ください)
本市では、株式会社アイシンと連携し、公民連携による送迎サービスを活用した子育て支援事業の実証実験を行っています。
このサービスは、授業後の児童を、学校から保護者が働く「つながりステーション」、いわゆる託児機能付きのワーキングスペースに送迎するサービスで、子育て世帯に対して時間に制約されない多様な働き方を提供することを目的に始まったものです。「つながりステーション」では、子どもたちは保護者の仕事が終わるまでの待ち時間を利用してオンラインでの学習やイベントに参加することができ、児童の充実した放課後の実現にもつながる仕組みとなっています。
この事業は現在、本市と包括連携協定を締結しているアイシンの社員さんの家庭を中心に試験的に実施しているところでありますが、日々時間のやりくりに苦心する保護者から大変好評で、今後の事業化が望まれていると聞いております。
そこで、より多くのかたにご利用いただけるサービスとして構築していくことを目指し、この度、利用対象を最大100名まで拡大した新たな実証実験を始めさせていただきます。今回の実証実験では、「つながりステーション」のほか、学校から2km圏内の習い事先を送迎先として実施します。この利用者を拡大した実証実験は、6月27日から7月20日までを実施期間とし、六名小学校と三島小学校の児童を対象に6月5日まで参加を募ります。
今回の実証を踏まえ、将来的には他の地域での展開も視野に入れながらこの取り組みを進めていきたいと考えております。
引き続き、一歩先の暮らしを見据え、民間事業者の力をお借りしながら「あとひと手間」を加えることで、行政だけでは実現できない満足度の高い公共サービスを提供していけるよう取り組んでまいります。
学校給食について
本市の学校給食費は、平成21年度に現在の額に改定を行って以降、価格を据え置いており、その間、消費税5%から8%への改定や食材料費の価格上昇などに対しては、公費で賄うことで、保護者負担を増やすことなく、栄養価の摂取基準を満たした給食の提供を継続しています。
現状の学校給食は、1食あたりの食材料費が小学校で253円、中学校が289円で、うち保護者負担は小学校240円、中学校275円です。また、平成28年度からは毎年4月分の給食費の無償化も実施しており、食材料費のみで年間約2億5千万円の公費を投入して保護者負担の軽減を図っております。
昨今のコロナ禍やウクライナ危機による物価高騰により学校給食の運営も多大な影響を受けており、保護者の負担増も考えるべきところですが、この社会情勢が家計を圧迫していることもまた事実です。そして、先般、市議会4会派の連名で、高騰する食材料費等の増額分を支援し、保護者負担を増やすことなく学校給食を実施するよう要望書をいただきました。
市としましても、議会の要望を尊重し、値上げは行わず、保護者負担の軽減を図ってまいります。
花火大会について
今年度の花火大会に向けて、現在の進捗をご報告いたします。
コロナ禍ではありますが、今年度は、ふるさと岡崎の活気を取り戻すため、そして、花火職人の技術を次の世代に継承するため、8月6日(土曜日)に3年ぶりとなる花火大会を開催する計画です。
開催に向けては、コロナ対策はもちろん、大型台風や集中豪雨に伴う水害対策、市中心部の過度な混雑の緩和など、市民の安全を守る諸課題にも向き合いながら、計画を進めています。見直すべき点は見直し、新しい手法も試しながら、岡崎の伝統である花火大会を未来へつないでいく、そんな思いをもって臨んでまいります。
本年の花火大会は、密の緩和を目的に、従来の堤防の斜面を使った桟敷席の建設はせず、両岸河川敷の平場のみを使ったマス席に変更し、観覧者数を制限します。また、マス席の他にも、河川敷や岡崎公園内に新たな有料予約席を複数設置するほか、ユーチューブでの生配信などの取り組みにより、会場周辺への来場は席の予約があるかたに留め、予約のないかたには、会場から離れた場所で花火を楽しんでいただけるよう計画を進めています。
従来の桟敷席については、急激な河川増水があってもすぐに解体・撤去が困難で、安全安心な花火大会に向けた大きな懸案となっておりました。また、設置・解体に関して、事業者からも職人の確保が難しいとの声が届いており、それらを踏まえ、今年度については手法を変更し、川と共存しながら災害にも備える計画としてまいります。
一連の見直しにより、従来の花火大会では、8万人~10万人近い来場者で大変混雑していた会場周辺の人手を少なくともこれまでの半分以下とする計画です。実施詳細につきましては、今後、警察や消防などとの協議を経て、6月下旬に市政だよりやホームページ等でお知らせしてまいります。
最後になりますが、こうした新たな手法は、我々主催者も含めて、初めての取組みです。まず、今年度は思い切って挑戦し、その上で良かったこと、良くなかったことを振り返り、市民の皆さんのご意見も伺いながら、次年度以降の改善につなげていきたいと思います。
市民の皆様、事業者の皆様、警察、消防、警備会社、花火組合の皆様など、関係機関の皆様のご理解とご協力を何卒よろしくお願いいたします。