Q.救命処置の開始時期について知りたい。
回答
市民が行う救命処置は心肺蘇生法、AED(自動体外式除細動器)による電気ショック、気道異物の除去があります。突然に心臓や呼吸が止まってしまったときに、胸骨圧迫及び人工呼吸を行うことを心肺蘇生法といいます。この処置は早期に始めることが重要と言われています。
突然に心臓が止まる心臓突然死の多くは、心室細動という重症不整脈により引き起こされます。心室細動では心臓が細かくふるえるので、心臓は全身の臓器へ血液を送り出せずに意識や呼吸が停止し、心肺停止状態となります。この場合、できるだけ早く心臓に電気ショックを与え、心臓本来の動きを取り戻す必要があり、電気ショックを行うための機器がAED(自動体外式除細動器)です。AEDが近くにあれば(届いたら)、AEDを使用し、心肺蘇生法を繰り返します。
また、のどに食物などの異物が詰まり、気道が閉塞すると呼吸ができなくなりやがて死に至ります。この場合、早期に気道異物の除去をする必要があります。
心臓と呼吸が止まってから、時間の経過とともに救命の可能性は急激に低下していきますが、居合わせた市民が救命処置を行うことで救命の可能性は約2倍に上昇することが知られています。したがって、早期に心肺停止状態であることを認識し、すぐに119番通報することと、少しでも早い救命処置の開始が重要となります。