アルコールと上手に付き合おう
日本人の半数は、身体の中でアルコールを分解する酵素が働きにくい体質です。
酵素が働きにくい体質の人は、アルコールを分解する途中でできる有害物質「アルデヒド」を速やかに分解できないため、少しのアルコールでも悪酔いしやすいです。
「お酒に強い・弱い」は生まれつきの体質です。
お酒を飲むときには、自分の体質・その日の体調と相談しながら飲みましょう。
目次
1. 「適正飲酒」ってどのくらいの量?
節度ある飲酒とは純アルコールで1日平均約20gです。
適正飲酒量(純アルコール20gの目安)は、下のいずれか1つ分です。
・ビール:500ml ・日本酒:180ml(1合)
・焼酎(25度):110ml(0.6合) ・ワイン:200ml(グラス2杯)
ただし、体調によって酔い具合は変わるので、その日の体調に合わせてお酒を飲みましょう。
女性や少量のお酒で顔が赤くなる人、65歳以上のかたは少なめにしましょう。
★☆イッキ飲みの危険☆★
アルコールが脳に到達するまで、30分~1時間かかります。
酔いの症状が出る前に大量のアルコールを飲むと、
肺や心臓を動かす「延髄(脳の一部)」がマヒしてしまい、呼吸停止・心停止に陥ります。
2. 「酔い」の程度の目安
酔いの症状はすぐには出ません。酔ってないと思って飲み続けると飲みすぎになってしまいます。
酩酊段階 | 飲酒量 | 症状 |
---|---|---|
爽快期 |
ビール:~1本 日本酒:~1合 |
陽気になる 顔が赤くなる |
ほろ酔い期 |
ビール:1~2本 日本酒1~2合 |
ほろ酔い気分 手の動きが活発になる |
酩酊初期 |
ビール:3本 日本酒:3合 |
気が大きくなる 立つとふらつく |
酩酊極期 |
ビール:4~6本 日本酒:4~6合 |
何度も同じことをしゃべる 千鳥足 |
泥酔期 |
ビール:7~10本 日本酒:7合~1升 |
意識がはっきりしない 立てない |
昏睡期 |
ビール:10本以上 日本酒:1升以上 |
昏睡 呼吸抑制、死亡 |
出典:(公社)アルコール健康医学協会
3. 女性とお酒の関係
女性の方がアルコールの影響を受けやすい
・女性は男性に比べて体が小さく、肝臓も小さい
・体内の水分量が少なく、血液内のアルコール濃度が男性より高くなる
・女性ホルモンにはアルコールの分解を抑える作用がある
→アルコール依存症や肝臓障害、すい臓障害など、アルコール性の病気にかかりやすい。
妊娠中・授乳中の飲酒について
妊娠中・授乳中に飲酒をすると、アルコールが胎盤・母乳を通じて赤ちゃんの体内に入ってしまいます。
赤ちゃんは肝臓の機能が未発達なため、アルコールの分解が遅く、長時間アルコールにさらされてしまいます。
そのため、赤ちゃんには次のような影響があります。
・知的障害
・記憶障害
・低身長、低体重
・心臓等の奇形
・胎児性アルコール症候群:軽度から中等度の知的障害、小頭症、斜視、尿道下裂、顔面の異常 等
4. 正しいお酒の飲み方 Q&A
Q1. お風呂の前や入浴中にお酒を飲んでも大丈夫?
× 利尿作用と発汗による脱水が考えられ危険です。また、寝てしまったり気を失ったりした場合事故の危険があります。
飲酒後のサウナやスポーツも危険です。
Q2. 寝る前にお酒を飲むとよく眠れる?
× 眠りが浅くなったり、睡眠時トイレに起きてしまいます。また、少量では眠くなくなり飲酒量が増えていく危険があります。
Q3. 急激に酔いを覚ます方法がある?
× 酔いを覚ますためには、体内のアルコールが肝臓で分解されるのを待つしかありません。
Q4. 常用している薬がある人は飲酒に注意が必要?
○ アルコールは薬の効果を強めたり、弱めたりします。医師・薬剤師にご相談ください。
Q5. アルコール依存症の人は病気が治ればまた飲める?
× アルコール依存症は、回復しても完治はしません。少しでも飲むとコントロールできなくなるため、断酒が必要です。
未成年の飲酒についてはこちらをご覧ください。