小呂湿地
小呂湿地の重要性
本湿地は岡崎市小呂町の丘陵地帯の谷間に成立した湿地です。背後地は標高160~170mの小丘が連続しており、その間の凹所は小湿地や水田となっていますが、本湿地はその中では最も規模の大きなものです。
本湿地は斜面の崩壊や崩壊土砂が堆積した谷底面等を湧水が涵養することで成立する湧水湿地です。湧水湿地を涵養する湧水は一般的に貧栄養で弱酸性であるため、このような環境に適した特徴的な動植物が生息生育しています。本市でもかつては丘陵地に多くの湧水湿地が点在していましたが、宅地開発等の開発行為や遷移により、その多くが消滅し、現在、比較的大きなものは本湿地と北山湿地の2箇所のみです。そのため、湧水湿地に固有の種には、絶滅のおそれのある種(国、県、市のレッドリスト掲載種)が多く含まれています。本湿地もハッチョウトンボ、ヒメタイコウチ、サギソウ、カキランなどといった希少な動植物が生息生育しています。さらに、水田としての利用がなされていた本湿地では、植物等の堆積による泥炭湿原の様相もうかがえ、北山湿地とは一線を画した生態系となっており、極めて貴重な場所です。
また、本湿地をはじめとする東海地方の湧水湿地は、東海丘陵要素植物群と呼ばれる熱帯系や周極要素等の遺存種やこの地域に分布が限られた固有種等が生育しています。東海丘陵要素植物や絶滅危惧植物を数多く確認できることから、本湿地は環境省が選定する「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」に西三河地域湧水湿地群の1つとして選定されています。このことからも本湿地は極めて重要な湿地であるといえます。
自然観察会
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おかざき湿地保護の会
岡崎市は、「おかざき湿地保護の会」との協働により、湿地の保護保全活動や動植物の監視などを行っています。
小呂湿地の保護保全活動は毎月第1土曜日9:00から実施しています。
小呂湿地リーフレット
小呂湿地リーフレット
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大切なお願い
湿地内に「持ち込まない」「持ち出さない」「踏み込まない」の三原則をかたく守ってくださるようお願いいたします。
自然環境保護区においては、これらの行為は禁止されており、これに違反した場合は30万円以下の罰金が科せられる場合があります。