身近に潜む自然発火に注意してください!!
自然発火とは…
物質が空気中において何らかの条件によって比較的低い温度から発熱し、その熱が長時間蓄積されることによって発火点に至ることで、発生した可燃性ガスや接触している可燃物が自然に発火する現象のことです。
一般的にはあまり知られてはいませんが、自然に発火して火災に至るこの現象は、皆さんの身近に潜んでいます!!
火災事例
事例1
➡マッサージ用オイルをふき取り,洗濯後に乾燥機で乾かしたタオルが自然発火した。
事例2
➡油をふき取った布をごみ袋やダンボールに入れて放置したところ,自然発火した。
事例3
➡天ぷら油が熱い状態で,紙製の油吸着剤で処理し,油吸着剤をごみ袋に入れてベランダに置いていたところ,自然発火した。
事例4
➡揚げ玉を天ぷら油で大量に揚げ,それをざるに入れたまま放置したところ,積み重なった揚げ玉から自然発火した。
事例5
➡何年も掃除せず油が付着していたレンジフードのフィルターに,下からの調理熱が加わり,フィルターの油が自然発火した。
事例6
➡クッキングペーパーなどに天ぷら油を染み込ませ,密閉したごみ袋やごみ箱に捨てたところ,酸化熱により,自然発火した。
出火の原因
このような事例の原因は主に、物質の酸化にともなう酸化熱の蓄積が原因です!!
○酸化熱とは?
➡不飽和脂肪酸等を含む物質は、空気中の酸素と結合して、発熱することがあります。これを酸化熱といいます。また、この熱が蓄積されやすい状況にあると、酸化が促進して、さらに温度が上昇し、最後には発火にまで至る可能性があります。
○不飽和脂肪酸とは?
➡不飽和脂肪酸は、常温で液体の油脂類に多く含まれており、植物油ではアマニ油、菜種油、オリーブ油等に、動物油では青魚等の各種魚油等に含まれます。不飽和脂肪酸は、酸化しやすいのが特徴です。
○この他に堆肥や木材チップ等から発煙・発火する自然発火も!!
➡堆肥や木材チップ等が大量に堆積された場所で、高温多湿な環境が長期間継続する場合は菌やバクテリアが堆肥や木材チップを分解することで、 発酵熱が発生します。この熱が蓄積することで最終的には発煙・発火に至ることがあります。
火災予防・対策