株式会社シイエム・シイと行政事務の効率化及び高度化に関する包括連携協定を締結しました。
協定の締結
岡崎市と株式会社シイエム・シイは、相互に連携及び協力し、行政事務の効率化及び高度化を推進していくための協定を令和3年4月22日に締結しました。
株式会社シイエム・シイ(https://www.cmc.co.jp/ )は、自動車業界を始めとした様々な業界・業種において、マニュアル制作、AIやRPAなどのデジタル技術の導入、人材育成など、数多くの課題解決支援の実績を有することから、協定の締結により、岡崎市行財政改革大綱で掲げる「スマートでスリムな行政運営の確立」の実現に向けた大きな後押しとなることが期待されます。
(写真左:株式会社シイエム・シイ 代表取締役社長 佐々幸恭様 写真右:岡崎市長 中根康浩)
協定の内容
⑴業務手順の棚卸及び可視化を通じた業務改善に関すること。
⑵業務マニュアルの作成に関すること。
⑶デジタル技術の活用に関すること。
⑷職員の意識改革に関すること。
⑸その他行政事務の効率化及び高度化に資すること。
業務改善プロジェクト
協定に基づき、業務改善プロジェクトを立ち上げました。
プロジェクトの背景
本市では、新しい「岡崎市行財政改革大綱」を令和2年11月に策定し、10年後に「スマートでスリムな行政運営の確立」を実現することを目指しています。
「スマートでスリムな行政運営の確立」を目指す目的は、先進技術の駆使や必要性の低下した事業のスリム化等により、ヒト・モノ・カネ・時間といった市の経営資源を、「人間でなければ・行政でなければ・市職員でなければできない分野」に集中的に投資することで、より高度で魅力的な行政サービスを市民の皆様へ提供し、さらなる岡崎市の発展と持続可能な行政運営を実現することです。
本市では今までも全庁的な業務改善運動を展開し、各職場において自発的な業務改善に取り組んできましたが、これをより進化させ実効性の高いものとするため、株式会社シイエム・シイと連携し、支援をいただきながら、業務改善を進めることとなりました。
対象部署の選定
本プロジェクトは、消防本部を対象部署として進めます。
その理由としては、近年の消防を取り巻く環境として、南海トラフ巨大地震及び局地的な豪雨などの自然災害への対応が喫緊の課題となっており、諸災害に迅速かつ的確に対処するため、消防体制の充実強化に万全を期す必要がある一方で、消防本部の各職場においては、消防職員が内部事務も担当しており、職員にかかる事務負担も増加しつつあります。
消防職員の業務は、まさに「人間でなければ・行政でなければ・市職員でなければできない分野」であるため、消防職員の事務の負担を軽減し、消防・救急・災害対応に専念できる体制を整えることが、行財政改革大綱で目指す市民サービスの高度化を実現するためのモデルケースになりうると判断したためです。
(キックオフミーティングの様子)
業務標準化セミナーの開催
協定に基づき、株式会社シイエム・シイから講師を派遣していただき、行政事務の効率化、デジタル化、RPA導入等の前提として必要な業務標準化(誰でも同じレベルで業務遂行ができる状態を作るため、業務を棚卸し、可視化すること)のノウハウを身につけることを目的とした業務標準化セミナーを開催しました。
本セミナーは、業務改善プロジェクトに取り組んでいる消防本部職員と、受講を希望する部署の職員の計40名が受講しました。
<受講者アンケート抜粋>
・普段何気なく行っている業務を見直す良い機会でした。セミナーで学んだ業務棚卸の方法を今後自らの業務に活用していきたいです。
・そもそも業務標準化とは何なのかを勉強することができ、業務棚卸の方法も詳細に学ぶことができて、とても満足しています。
・セミナーで学んだ内容は課内だけでなく部全体で考えても必要なことだと思いました。
・業務を棚卸して効率化することにより、より市民の皆様のためとなる仕事に専念できるような職場作りをしたいと思いました。
(業務標準化セミナーの様子)
業務棚卸の実践
株式会社シイエム・シイから提供していただいたインターネット上の業務棚卸ツール「KAIZEN FARM」を使用して、消防本部各部署の業務棚卸を実践しました。
業務棚卸を行うことにより、業務の流れが可視化され、ボトルネック(生産性・効率性を低下させる原因となる部分)の発見につながり、業務改善に取り組むポイントが明確になりました。
(業務棚卸ツール操作説明会の様子)
業務改善プロジェクト実施報告書
協定に基づき、令和3年4月から10月にかけて業務改善プロジェクトを推進しました。このたび、プロジェクトの実施報告書がまとまりましたので、公表します。
プロジェクトにおいては、消防職員の事務負担軽減を目的に、業務棚卸による業務フローの可視化を行い、そこで発見したボトルネック(生産性や効率性を低下させる原因)を解決するため、RPA等のデジタル技術の導入検討、マニュアル作成によるナレッジマネジメント、申請手続のオンライン化のトライアル等に取り組みました。
業務改善に取り組むことができたのは、消防本部の数ある業務の中の一部に過ぎませんが、消防職員の事務負担を軽減し、消防職員でなければできない業務(火災予防思想の普及啓発、訓練・研修など)に専念できる体制づくりへの第一歩を踏み出すことができました。
今後は、本プロジェクトで得たノウハウを庁内へ横展開させ、職員一丸となって「スマートでスリムな行政運営の確立」の実現を目指します。
業務改善プロジェクト実施報告書はこちらをご覧ください。(PDF形式:4,480KB)
(業務改善プロジェクト報告会の様子)
岐阜市消防本部との連携
消防業務の業務改善に取り組んでいる岐阜市消防本部から、連携協力について打診をいただき、岡崎市消防本部・岐阜市消防本部・株式会社シイエム・シイの3者が相互に連携し、共同で業務改善を進めることになりました。
今後は、本プロジェクトで岡崎市が業務改善に取り組んだ業務を中心に、両市の業務棚卸結果及び業務フローを比較し、共通する部分や違いがある部分を洗い出すことによって、ベストプラクティス(最善の方法)の発見や業務標準化に連携して取り組みます。
※岐阜市と株式会社シイエム・シイは「電子マニュアル等導入に向けた共同研究に関する協定」を締結しており、そのご縁から、3者で連携する運びとなりました。
■令和3年度の実施報告
業務フローを比較した結果、大きな差異ではないものの、書類の様式、システム入力の有無、チェックリスト等の事務補助ツールの有無、詳細手順の順番などに違いがあることが分かりました。
一方で教育機会の少なさ、業務の属人化、年度末にかけて事務作業が集中するなど両市に共通するボトルネックがあることも分かりました。
書類の様式の統一化、業務フローの標準化、チェックリスト等の事務補助ツールの共有化などについては、すぐに取り組める改善活動として、引き続き両市の消防本部間で連携を取りながら進めていきます。
両市に共通するボトルネックを解決するため、引き続き岡崎市・岐阜市・株式会社シイエム・シイの3者で連携し、電子申請ワークフローツール、AIチャットボット、スマートグラスなどのデジタル技術を活用した業務改善に向けて、調査・研究に取り組む予定です。
令和3年度の実施報告書はこちらをご覧ください。(PDF形式:1,082KB)
関連資料
概要資料(PDF形式 1,268キロバイト)
業務改善プロジェクト実施報告書(PDF形式 4,453キロバイト)
岡崎市消防本部・岐阜市消防本部・株式会社シイエム・シイの三者連携による業務標準化プロジェクト実施報告書(PDF形式 1,082キロバイト)
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