国指定:彫刻 木造観音菩薩・梵天・帝釈天立像
木造観音菩薩・梵天・帝釈天立像
天台宗滝山寺の本堂に客仏(きゃくぶつ。元は別のお寺に祀られていたが、なんらか事情で移され別の建物に祀られている仏像。)として祀られる鎌倉初期の三尊仏です。
『滝山寺縁起』によると、源頼朝の没後、滝山寺僧で頼朝の従弟(母の弟)にあたる寛伝僧都(かんでんそうず。僧都とは僧侶の階級のことで、最上位の大僧正に次ぐ地位。)の発願で正治元年(1201)に惣持禅院を建立し、その本尊としてこの三尊像を仏師運慶に依頼して制作させたとあります。本尊にあたる聖観音菩薩立像は寄木造、彫眼で像高174.4cm、脇侍の梵天立像は4面4臂、各面3目彫眼で像高106.5cm、同じく脇侍の帝釈天立像は寄木造、1面1目彫眼、2臂像で像高104.9cmです。各像の極彩色は江戸時代末か明治初期に施されたものです。 聖観音像は頼朝と等身に造られた像で、胎内に頼朝の鬚(あごひげ)と落歯を納めたと『縁起』にあり、事実、それと思しい物体が頭部にあることがX線撮影で確認されています。梵天と帝釈天は一対の守護神ですが、観音の両脇に配する例は珍しいです。また、造立年次がほぼ確定しており、清らかで若々しい顔立ち、強く引き締まった体部など運慶もしくは慶派正統の仏師の作と見ることができます。
ふりがな | もくぞうかんのんぼさつ・ぼんてん・たいしゃくてんりゅうぞう |
指定(種別) | 国指定重要文化財(彫刻) |
員数 | 3軀 |
指定年月日 | 昭和56年6月9日 |
所在地 | 岡崎市滝町字山籠 MAP(新しいウィンドウで開きます) |
所有者 | 滝山寺 |
管理者 | 滝山寺 |
時代 | 鎌倉時代 伝:正治3年(1201) |
公開情報 | 宝物殿にて一般公開 |
参考文献 |
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リンク | 文化財ナビ愛知(新しいウィンドウで開きます) |
注意:文化財の概要については、新たな発見や再調査により記載内容が変更となる可能性があります。
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