市指定:彫刻 延命地蔵菩薩
延命地蔵菩薩
剃髪の僧形で白毫相を表し、耳垂は環状で三道を表した像高約37.3cmの地蔵菩薩坐像です。
顔を前に向け、覆肩衣、大衣を着けて結跏趺坐しています。右手は前に屈しており、手首先は後補です。左手は前に屈し、掌を上に五指を伸ばして宝珠を執っています。木造の寄木造で内刳、玉眼を嵌入し、漆箔を施しています。
本像は、台座の天板裏に正徳元年(1711)とあり、この時に造られたものと思われます。その台座の蓮肉内には納入品として像高約15.9cmの地蔵菩薩が納められており、由緒ある古像とされています。像内銘文によると、本像は広祥院を開いた奥平貞昌の念持仏とされています。寺の由緒書(寛永9年・1632)には、貞昌は文明年中(1469~87)に日近の名之内領主となり、文明10年(1478)に広祥院を建立したとあり、この像はその時の本尊とみられ、様式的にも同時期のものと認められます。
衣には唐草文や雷文つなぎ、石畳文などが金泥で描かれており、華麗な様子がみられます。内刳面は綺麗に削られて全面に布貼りがされ、漆が塗られており、丁寧に仕上げられています。
ふりがな | えんめいじぞうぼさつ |
指定(種別) | 岡崎市指定文化財(彫刻) |
員数 | 1軀 |
指定年月日 | 昭和45年1月10日 |
所在地 |
岡崎市桜形町字般興 広祥院内 MAP(新しいウィンドウで開きます) |
所有者 | 広祥院 |
参考文献 | 『新編岡崎市史 額田資料編I 文化財 考古 中世城館 』 新編岡崎市史編集委員会、2010年、93‐95ページ |
注意:文化財の概要については、新たな発見や再調査により記載内容が変更となる可能性があります。
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