市指定:彫刻 銅造阿弥陀三尊立像(善光寺式)
銅造阿弥陀三尊立像(善光寺式)
成就院近くに浄瑠璃姫の身を投げ渕があり、そこから得たものといわれています。中尊の阿弥陀如来は、一鋳とすべく造られたものですが、鋳造の際に失敗し、胸と裾近くで補鋳されています。この像の構造で珍しいのは、足裏に枘(ほぞ)を造っておらず、足裏には枘を削り取ったような痕跡もないため、当初から枘はなく、台座の方に枘を造って像底の中空部に差し込んで固定するようになっていたものと思われます。押しつぶされたような形の肉髻、髪際付近で膨れ上がった表現をとる螺髪など鎌倉時代後期の特色を持っています。左脇侍の観音菩薩立像も一鋳で、これも足裏に枘を造っていません。八角の宝冠を頂いており、一般的には顔正面に平面部分がきますが、この像は正面中央に稜線があらわされており、正面、両側、背面とも中央に稜線が配されている点が珍しいです。
なお、勢至菩薩は木造の後補です。
ふりがな | どうぞうあみださんぞんりゅうぞう(ぜんこうじしき) |
指定(種別) | 岡崎市指定文化財(彫刻) |
員数 | 2軀 |
指定年月日 | 昭和62年7月15日 |
所在地 |
岡崎市吹矢町 成就院内 MAP(新しいウィンドウで開きます) |
所有者 | 成就院 |
参考文献 | 『新編岡崎市史 第17巻 美術工芸』新編岡崎市史編集委員会、1984年、91-92ページ |
注意:文化財の概要については、新たな発見や再調査により記載内容が変更となる可能性があります。
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