ギフチョウを岡崎市自然環境保全条例に基づく「指定希少野生動植物種」に指定しました。
学術的価値が高く、本市における生息地が限られ、絶滅が危惧されるギフチョウを保護するため、平成22年2月1日付けで、ギフチョウを岡崎市自然環境保全条例に基づく「指定希少野生動植物種」の第1号として指定しました。

1 指定内容
指定希少野生動植物種
分類:昆虫類
科名:アゲハチョウ
種名(和名):ギフチョウ
2 規制内容
岡崎市内において、ギフチョウの生きている固体(卵を含む)を捕獲又は殺傷することが禁止されます。
なお、各資料により調べたところでは、市町村によるギフチョウの指定希少野生動植物種への指定は国内では初めてのものです。
3 その他
生息状況等
- 主な生息地は、旧岡崎市東部の丘陵地一帯。
- 過去に乱獲によって絶滅の危機に瀕したことがあったが、市民協働により、保全、再生された経緯があります。
- この地域にある北山湿地については、平成21年2月に岡崎市自然環境保護区に指定し、保護、保全を図っています。
ギフチョウについて
- ギフチョウは氷期の生き残りといわれる原始的な蝶で、環境への適応性が弱く、都市開発のあおりで、おそらく一番早く姿を消す蝶ではないかと言われています。
- 日本が大陸とつながっていた頃に朝鮮方面から渡ってきて、そして日本に閉じ込められてしまい、日本特産のギフチョウとなってしかも、本州だけに生息し、東北地方にはいません。
- このようにギフチョウの発生地は限られており、その行動範囲も、水平的に1キロから2キロ、また垂直的には数百メートル以内と考えられているように成虫もあまり遠くへ飛翔しないため、地域ごとに特有の変化が見られます。
- 岡崎市産のギフチョウは、東海地方の分布状態から見て、その希少性は極めて高いものです。
- ギフチョウの模様が産地によって少しずつ異なることから、チョウマニアによって好んで採集され、いずれの産地でも急激にその数が減少しています。
- ギフチョウの生息地は山間の谷で、陽射しの入る林の周縁域に集中し、人との結びつきが大きい蝶といえます。食草のカンアオイ類も、また陽当たりの良い林縁を好む植物です。
国・県のレッドリストの評価
- 国のレッドリストでは、絶滅危惧2類(絶滅の危険が増大している)となっています。
- 愛知県のレッドリストでは、準絶滅危惧(存続基盤が脆弱な種。現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」として上位ランクに移行する要素を有するもの。)となっています。