ササユリ
ササユリ特性
分類
ユリ科ユリ属の多年草
学名
Lilium.japonicum(日本特産のユリという意味)
名前の由来
葉の形が笹の葉に似ているため。
特性
日本だけに生息するユリの原種で、関東以西の本州から四国と一部の九州に自生しています。葉が竹笹に似ていることから笹ユリと呼ばれます。生育が遅く、種子から開花するまで7年から8年もかかると言われ、山の手入れがされないことや乱獲も重なり、自然に見ることが少なくなりました。花は5月下旬から6月上旬ころに開花します。1輪から2輪の花が多く、中には5輪以上咲くものもあります。花色は清らかなピンク色で、いやみのない甘い香りがあり、清楚な草姿から最も観賞価値の高いユリのひとつとされています。ササユリは生育が遅く、病気にも弱いため、営利的な栽培技術が確立されておらす、多くは山取り品が切り花として流通・利用されています。
歴史
ササユリと日本人のつながりは古く、日本最古の書「古事記」に登場します。神武天皇が狭井川(奈良県)のほとりで、後の皇后となる伊須気余理比売命(いすけよりひめのみこと)と出会い恋をしました。このとき岸辺には、ササユリの花が咲き乱れていました。ササユリが2人の愛の仲立ちをしたわけです。その他、最古の歌集「万葉集」ではサユリ花として歌われるなど、多くの人々を魅了し浪漫を生み出してきました。
ササユリ培養から切花出荷へ
ササユリの保全のため、農業支援センターにて優良な個体を選抜し、鱗片培養や子房培養により子球を増殖します。これを「ササユリ研究会」で屋外栽培してもらい、切花出荷や優良系統の追跡調査を行ってもらいます。
1 優良個体を選抜
2 組織培養
3 育苗
4 「ササユリ研究会」で栽培
5 出荷のため選別
6 秋に球根を掘り上げ調査