農作業中の注意点について
農作業中におけるダニ刺咬に関する留意事項について
ダニ媒介性疾患「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の症例が国内において確認されました。SFTSは、多くの場合、森林や草地などの屋外に生息するマダニに咬まれることにより感染します。マダニはSFTS以外にも感染症を媒介することから、特にマダニの活動が盛んになるとともに、屋外での農作業が本格化する春から秋にかけて、マダニに刺されないよう注意する必要があります。
- 問 SFTSにかからないために、どのように予防すればよいですか。
- 答 マダニに咬まれないようにすることが重要です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては注意しましょう。これは、SFTSだけでなく、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し、肌の露出を少なくすることが大事です。また、屋外活動後は、マダニに刺されていないか確認してください。
- 問 国内で患者が報告された地域は特に感染の危険が高いのですか。
- 答 SFTSウイルスを媒介すると考えられるマダニ類は全国に分布するので、今回患者が報告された地域が他の地域に比べて特に危険だということではありません。全国どこにおいても発生しうる感染症と考えられます。
- 問 マダニに咬まれたら、どうすればよいですか。
- 答 マダニ類の多くは、人や動物に取りつくと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いもので10日間)吸血します。無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残ってしまうことがあるので、吸血中のマダニに気が付いた際は、できるだけ病院で処置してもらってください。また、マダニに咬まれた後に、発熱などの症状が認められた場合は、病院を受診してください。
参考 厚生労働省ホームページ (新しいウィンドウで開きます)
農作業中の熱中症予防について
農作業中の熱中症により救急搬送されたかたは例年に比べ急増しており、死亡事故も増加傾向にあります。熱中症による救急搬送人員数は5月ごろ~初秋にわたり多く、真夏以外の時期にも注意が必要です。
熱中症の症状が進行すると、死亡することもあるほか、脳にダメージを与え、長期にわたり後遺症が残る可能性もありますので、作業前・作業中における熱中症予防・対策が重要です。
また、気温が著しく高くなりやすいハウス等の施設内での作業中については、特に気を付けてください。
《農作業前の熱中症対策》
- 気温が高くなる前の時期から余裕をもって暑さになれるための活動(ストレッチやウォーキングなど)を始め、暑さに備えましょう。また、農作業前に体温上昇を抑制する対策として、作業を始める直前に冷たい飲み物や冷やしたタオルで身体を冷やすことも効果的です。
《農作業中の熱中症対策》
- 高温下での長時間作業を避け、「こまめな休憩と水分・塩分補給」を行い、「絶対に無理をしない、頑張りすぎない」ことが大切です。のどが渇いていなくても、20分おきに毎回コップ1~2杯以上を目安に水分補給をし、涼しい日陰などで作業着を脱ぎ、体温を下げましょう。
- 熱中症になってしまった際、早期発見、対処が大切になります。単独作業は避け、単独で作業をする場合も、家族や従業員等が定期的に巡回を行い、お互いに体調を確認できるようにしましょう。
- 熱中症対策アイテムを活用しましょう。ファン付き作業服やネッククーラー等(どちらもホームセンター等で購入できます)を使用することで、熱中症のリスクを下げることができます。
帽子等は通気性のあるものや熱を逃がしやすい素材のものを選び、身体に熱がこもらないようにしましょう。
- 屋内では遮光や断熱材の施工等により、作業施設内の温度が著しく上がらないようにするとともに、風通しをよくし、室内の換気に努めましょう。
作業施設内に熱源がある場合には、熱源と作業者との間隔を空けるか断熱材で隔離し、加熱された空気は屋外に排気するようにしましょう。
熱中症予防及び処置に関するパンフレット等
熱中症対策パンフレット&熱中症対策関連情報集(農林水産省ホームページ)(新しいウィンドウで開きます)
熱中症に注意(気象庁ホームページ)(新しいウィンドウで開きます)
令和7年6月1日に改正労働安全衛生規則が施行されました
職場における熱中症対策を強化するため、「早期発見のための体制整備」、「重篤化を防止するための措置の実施手順の作成」を行い、その内容を「関係作業者に周知」することが労働者を雇用する全ての事業者に義務付けされました。事業者には、労働者を雇用する農業者や農業法人も含まれます。農林水産省が作成した次の対応フロー図をご活用ください。
「熱中症」対応フロー(農林水産省フロー図)(新しいウィンドウで開きます)