ウイルス性肝炎に関する情報
ウイルス性肝炎
ウイルス性肝炎とは、ウイルスが原因で肝臓に炎症が起きる病気です。特に、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスに感染した場合、放っておくと肝硬変や肝がんへ進行する可能性があります。
B型肝炎が110万人~120万人、C型肝炎が90万人~130万人存在すると推定されていますが、感染時期が明確ではないことや自覚症状がないことが多いため、適切な時期に治療を受ける機会がなく、本人が気づかないうちに肝硬変や肝がんへ移行する感染者が多く存在することが問題となっています。
早期発見、早期治療によって、肝硬変や肝がんへの進行を防止しましょう。
B型肝炎ウイルス・C型肝炎ウイルスの検査について
保健所では、B型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの検査を無料で行っています。詳しくは以下を確認してください。
B型肝炎について
原因と症状
感染者の血液を介して感染します。また、感染者の精液、膣の分泌液、唾液などにもごく微量の血液がまじっていることがあり、性行為が感染の原因となることがあります。その他、B型肝炎の患者または持続感染者(キャリア)から生まれる赤ちゃんが感染する(母子感染)こともあります。症状としては、身体がだるい、食欲不振、発熱、嘔吐、吐き気、味覚・嗅覚の変化、右わき腹の痛み、筋肉痛、関節痛などがあります。人によっては、皮膚や白眼が黄色くなる(黄疸)、褐色の尿、白っぽい便、皮膚のかゆみなどの症状があります。
急性肝炎と慢性肝炎
急性肝炎
- 主として成人が初めてB型肝炎ウイルスに感染した時におこります。
- 感染した人の20~30%に症状が現れ、残りの人は症状が現れないまま回復します。
- 回復後には免疫ができて、二度とB型肝炎ウイルスに感染することはありません。
- 感染してから症状が出るまでに6週間から6か月かかります。
- 症状の持続期間は数週間から数か月まで様々です。
慢性肝炎
- キャリアは、新生児や乳幼児期に感染した人がほとんどです。
- キャリアが発病すると、慢性の経過をたどることがあります。
- 慢性肝疾患(慢性肝炎、肝硬変、肝がんなど)になるのはキャリアの10%前後です。
- 90%前後の人は気づかないまま、生涯を全うするといわれています。
- 出産を控えたキャリアの人は主治医に相談して、母子感染の予防をしてください。
C型肝炎について
原因と症状
感染者の血液を介して感染します。感染力は弱いため日常生活でうつることはありません。症状は、B型肝炎と似ています。
以下のような方は、C型肝炎ウイルス感染の可能性が一般より高いと考えられます。
- 平成4年以前に、輸血を受けている方
- 長期に血液透析を受けている方
- 輸入非加熱血液凝固因子製剤を投与された方
- 上記と同等のリスクを有する非加熱血液凝固因子製剤を投与された方
- フィブリノゲン製剤を投与された方
- 大きな手術を受けた方
- 臓器移植を受けた方
- 薬物乱用者、刺青をしている方
- ボディピアスを施している方 など
慢性肝炎
C型肝炎に感染した人の約70%が慢性化します。慢性肝炎の進行は遅いことが多く、感染してから肝硬変や肝がんになる場合でも10~20年かかったり、症状がでないまま慢性化することもあります。慢性肝炎になると肝硬変や、さらに進行して肝がんになる危険性が高くなります。
出産や手術で大量出血された方へ
出産や手術での大量出血などの際に、血液から作られた医薬品(フィブリノゲン製剤・血液凝固第9因子製剤)の投与によりC型肝炎ウイルスに感染した方は、国から給付金が受けられる場合があります。
詳しくは、以下を確認してください。
「出産や手術での大量出血などの際に、血液から作られた医薬品(フィブリノゲン製剤・血液凝固第9因子製剤)の投与によりC型肝炎ウイルスに感染した方へのお知らせ」(厚生労働省)
「B型ウイルス性肝炎治療」及び「C型ウイルス性肝炎治療」に対する医療費の助成について
愛知県では、平成20年度から「B型ウイルス性肝炎治療」及び「C型ウイルス性肝炎治療」に対して医療費の助成を行っており、保健所では申請を受付ています。
詳しくは、以下を確認してください。
医療費の助成について(B型・C型肝炎患者医療給付事業・あいち肝炎ネットワーク)
「B型・C型肝炎ウイルスに起因する肝がん又は重度肝硬変治療のための入院」に対する入院医療費の助成について
愛知県では、平成30年12月から、B型・C型肝炎ウイルスに起因する肝がん又は重度肝硬変の治療のため、都道府県が指定する医療機関(指定医療機関)に入院している場合の入院医療費の助成を行っており、保健所では申請を受付ています。
詳しくは、以下を確認してください。
愛知県肝がん・重度肝硬変患者医療給付事業(肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業)
E型肝炎について
E型肝炎は、E型肝炎ウイルスの感染によって引き起こされる急性肝炎(稀に劇症肝炎)で、慢性化することはありません。感染経路は主として経口感染と考えられており、食肉を介するE型肝炎ウイルスの感染事例が報告されています。
詳しくは以下を確認してください。