市長年頭のことば(令和7年1月4日 新年交礼会)
皆様、明けましておめでとうございます。
輝かしい希望に満ちた新春を、健やかにお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。
本年も岡崎市と岡崎市総代会連絡協議会との共催により、開催いたしましたところ、ご来賓の皆様、そして多くの市民の皆様のご臨席を賜り、誠にありがとうございます。
日頃の市政へのお力添えに対しまして、心から感謝申し上げます。
昨年の市長選挙では、数多くの皆様から力強いご支援ご声援を賜り、この度、4年ぶりに市長として3期目の市政を担わせていただくことになりました。
今、市長としての役割と責任の重さを改めて心に受けとめ、新春に臨み、決意を新たにしているところであります。「岡崎再生」の旗印のもと、止まった時計を再起動させ、「夢ある新しい岡崎」づくりを一日も早く軌道に乗せたいと考えております。
さて、昨年を振り返りますと、記憶に新しい喜ばしい出来事は、何と言っても12月7日に愛・地球博記念公園において開催された「愛知万博メモリアル第17回愛知県市町村対抗駅伝競走大会」です。岡崎市が見事3連覇を果たしました。3連覇を成し遂げた選手の皆様を誇り思うと同時に、感動を与えてくださったことに感謝申し上げます。
スポーツの分野では、昨年新たに創設されたバレーボールSV(えすぶい)リーグが10月に開幕しました。岡崎中央総合公園総合体育館で開催されたホームゲーム開幕戦では、3,500人を超える「ジェイテクトスティングス愛知」のファンで埋め尽くされました。会場では、ユニフォームなどを販売するグッズコーナーを始め、キッチンカーが並ぶ飲食エリアなど、いずれも大盛況でした。
オリンピック選手を含む国内最高峰のバレーボールの迫力と、エンターテイメントとして楽しむスポーツの醍醐味を、「ジェイテクトスティングス愛知」のホームタウンである岡崎でこれからも堪能できます。
地域経済の活性化はもとより、観光産業の追い風になるものと期待をしております。
第20回アジア競技大会、第5回アジア・パラ競技大会が令和8年秋に愛知県で開催されます。岡崎中央総合公園の総合体育館、多目的広場、野球場がそれぞれバレーボール、アーチェリー、野球の競技会場となるため、令和7年度末までに競技基準を満たすよう施設の改修を行ってまいります。
現在、アジア大会に向けた取組を本格化させるために、「岡崎市アジア・アジアパラ競技大会推進本部」を12月に設置いたしました。受け入れ態勢の整備や、市民気運の醸成、地域の活性化などに万全を期してまいります。
次に子育て支援についてです。
高校生までの通院医療費の無償化につきましては、子育て世代への経済的な負担軽減策であるため、迅速・確実に実施してまいりたいと考えています。
また、給食費の無償化につきましては、限りある財源を踏まえ、保護者の皆様のご負担が少しでも減るよう、現状に加え1ケ月分でも実施できるよう検討を進めてまいります。合わせて、保護者の方から要望の強い、美味しく、栄養価の高い、より充実した給食を提供してまいります。
「こどもまんなか社会」の実現のため、こどもの視点に立って考え、こどもの意見を反映していくことなどを目的として、「おかざきこども会議」を開催しています。本年度は、「新しくなる“ひがおか”について」をテーマに、小学校5年生から高校3年生までの38人が、8月からグループワークを重ね11月に発表会が行われました。こども達が考えたアイデアについては、本市がどのように取り扱うかを1月に開催する最後の会議で子どもたちに伝えてまいります。
この取組が子どもたちの学びの機会になるとともに、自分たちの意見がしっかりと受け止められたことが実感できる体験となり、子どもたちのモチベーションや社会の一員としての主体性を高めることにつながると期待しております。
次に、上下水道事業についてです。
はじめに、昨年1月に発生しました能登半島地震により被災された皆様に対し心よりお見舞い申し上げます。発災から1年が経過をしましたが、被災された方々の1日でも早い日常生活が戻ることを願うところです。上下水道事業においては、現在2名の職員を派遣し微力ではありますが復興への力添えをさせていただいているところであります。
また、昨年8月には、愛知県と西三河地域の関係市町(しまち)等により、上下水道の一本化及び広域化・共同化による効果検証等を行う「矢作川流域上下水道広域連携協議会(仮称)準備会」が発足し、本市も参画をいたしました。国、県、近隣市町とも連携し、市民生活に欠かすことのできないライフラインをしっかりと守り、持続可能な上下水道事業の提供を目指してまいります。
各地域では、その地域の特性を活かした事業が進められています。皆様のご理解とご協力のおかげによりまして、その成果が徐々に目で見て実感していただけるようになってまいりました。
東岡崎駅「ひがおか」のリニューアルについては、昨年10月末に駅ビルを全面閉鎖し解体作業を進めています。令和11年度に完成予定の新しい駅ビルには、商業施設のほか、待合などでご利用いただける広場も入り、駅舎や南北自由通路、バスターミナルなどと併せて整備される予定です。
完成まで市民の皆様にはご不便をおかけすることになりますが、「人とまちがつながるおもてなしの玄関口」を目指し、整備を着実に進めてまいりますので、引き続き、ご理解とご協力をお願いいたします。
さらに駅前においても、改めて本市の玄関口に相応しい姿を検討し再開発を加速していくとともに、白紙に戻されてしまったホテル・コンベンションについても再考し、「夢ある新しい岡崎」の実現に向けて努力する心づもりであります。
岡崎駅西口では、昨年7月に「駅西小町」がグランドオープンしました。「駅西小町」は、岡崎駅西口のにぎわい創出を目的に岡崎市が公募をし、民間事業者により作られた複合施設です。駐輪場に使われていたスペースを活用し、駅利用者や地域の人々の憩い・交流の場、子育ての発信拠点として誕生しました。駅前の注目スポットとなっておりますので皆様、是非、足をお運びください。
さて、東部地区では、いよいよ今年の秋に(仮称)三井アウトレットパーク岡崎が開業される予定です。アウトレットの開業に伴う交通量の増加に対応するため、事業者と連携して、引き続き道路整備を進め、周辺住民及びアウトレット利用者の安全で円滑な交通の確保を目指してまいります。
また、昨年12月に業務代行方式による組合施行の岡崎本宿駅西土地区画整理事業が認可されました。アウトレットと連携し、東部地域の新たな拠点として、計画的な都市基盤施設の整備を行い、日常生活に必要な機能やゆとりある良好な住宅地の供給を予定しています。
東部地域の活性化、ひいては岡崎市全体の活性化のために引き続き、公民連携を図り、アウトレットを核としたまちづくりを着実に進めてまいります。
岩津地域では、地域活動拠点施設、(仮称)岩津センターの整備を計画しています。地域が抱える課題や将来どういったまちにしたいか、そのためには拠点施設にどのような機能を入れたらいいのかなど、地域や施設を利用する皆様などと一緒に考え、計画づくりを進めてまいります。この拠点施設整備を契機に、地域への関心・愛着がさらに高まり、また、よりいっそう魅力的な「まち」として希望ある未来を引き継いでいく地域のシンボルになるよう、皆様のご意見をしっかりとお聴きしながら取り組んでまいります。
矢作地域では、今月から西部学校給食センターの配食が始まります。最新の衛生管理基準に対応する施設となり、より安全安心な給食の提供が可能となります。また、食物アレルギー対応食についても、専用の調理室を設け、卵、乳の除去食の提供も行ってまいります。
さらに、学校給食センターが矢作川洪水浸水想定区域内に位置しており、周辺に高層の建築物が少ないことから、建物外部に外階段を設けるとともに、学校給食センター内に災害用備蓄倉庫を設置いたしました。これにより、周辺住民の皆様が水害発生時に垂直方向の緊急避難が可能になり、地域の防災力向上に資する施設になるものと考えております。
額田地域では、移住相談窓口の設置、オクオカ竹プロジェクト、岡崎漆プロジェクト、おかざきかき氷街道、岡崎市ぬかたブランド協議会、森林サービス産業推進地域への登録など様々な事業が進められ、中山間地域の豊かな自然環境を始めとした地域資源を有効活用し、魅力ある持続可能な地域を目指し取組を行っています。額田地域にはまだまだいろいろな可能性があると考えます。中山間地域特有の魅力を発信し、関係人口の創出、移住促進などにより、中山間地域の活性化に繋がるよう取り組んでまいります。
具体的には岡崎東インターに近いエリアに、民活による家族で一日遊べ、飲食も楽しめるレジャー施設の誘致を企画しております。
現在大きく発展しつつある市南部、六ツ美地区ですが、さらに新たな商業施設を誘致できるように努力していく心づもりであります。
さて、徳川家康公の生誕日である12月26日は、「徳川家康公の功績をたたえる日」です。昨年12月26日に、名称が変更になりました「岡崎城公園」の新名板(めいばん)の除幕式が開催されました。
また、昨年から、12月を「家康公生誕月間」として盛り上げを図っており、メインイベントとなる「おかざき宵(よい)まいり」では、岡崎城公園と松應寺(しょうおうじ)を舞台に幻想的な光の空間を演出しました。また、二の丸能楽堂での「歴史ミーティング おかざきの陣」や、カクキュー八丁村での岡崎オリジナルのコラボレーションコース料理とジャズや武将隊のおもてなしを一緒に楽しんでいただく「醸(かもし)おかざき」のほか、「全国武将サミット2024」「家康公生誕祭」など、岡崎城周辺で家康公に関連するイベントが開催され、大変賑わいました。
そして、春の桜まつりでも賑わいが期待されます。4月6日(日曜日)に開催いたします家康行列では、特別出演として、2023年の大河ドラマ「どうする家康」に徳川信康役で出演された細田佳央太(ほそだかなた)さんをお迎えし、「若き日の家康公」としてご参加いただくことが決まりました。多くの皆様にお楽しみいただきたいと思います。
岡崎城公園とその周辺の桜は「日本さくら名所100選」に選ばれています。しかしながら、その桜のほとんどが寿命の時期を迎えています。「桜花咲(おかざき)プロジェクト」と題して、クラウドファンディングを1月15日~2月28日に行う予定です。
全国桜の名所の一つでもある岡崎の桜が更なる名所となるように、そして市の花、岡崎の桜を後世までつなげるために、是非、皆様にご協力をいただきたいと思います。
さらに、リバーフロント計画の基本イメージである乙川の両岸に、カフェやレストランが立ち並ぶパリのセーヌ川や京都の鴨川河畔のような魅力的な姿を目指してまいります。
以上、本市が取り組んでいる施策の一端をご紹介させていただきました。
岡崎は、これから引き続き、強い経済と人が集まる魅力的なまちとして発展し続け、住んでいる人が楽しく快適に、安心して安全に暮らせる活気のあるまちを目指すと同時に、かつての私達の子ども時代のように、もっと自然空間で自由に遊ぶことができ、子どもたちの笑顔があふれ、自らのふるさと・岡崎に対し、これまで以上の大きな愛情と誇りを持てる、そんな「夢ある新しい岡崎」を築くため、全力で取り組んでまいりますので、皆様のご支援ご協力をお願い申し上げます。
終わりに、本日ご参会の皆様をはじめ、市民の皆様のご多幸を心より祈念申し上げまして、年頭の挨拶とさせていただきます。
令和7年1月4日 岡崎市長 内田 康宏