水質規制について
水質汚濁防止法の目的
水質汚濁防止法(以下「法」という。)は、公共用水域及び地下水の水質汚濁の防止を図り、もって国民の健康を保護するとともに生活環境の保全すること等を目的としています。
法の制度の概要
人の健康を保護し生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準として、「環境基準」が環境基本法に基づき設定されています。設定に際しては、水利用の観点から定められている水道用水の基準、農業用水の基準、水産関係の基準等が参考とされています。環境基準を達成することを目標に、法に基づいて特定施設を有する事業場からの排水規制及び生活排水対策の推進を実施しています。
法では、工場や事業場から排出される水質汚濁物質について、物質の種類ごとに排水基準が定められており、水質汚濁物質の排出者等はこの基準を守らなければいけません。
規制等の種類
排出水に関する規制
法では、特定施設を有する事業場(特定事業場)から排出される水について、排水基準以下の濃度で排水することを義務づけています。
排水基準により規定される物質は大きく2つに分類されており、一つは人の健康に係る被害を生ずるおそれのある物質(有害物質)を含む排水に係る項目、もう一つは水の汚染状態を示す項目(生活環境項目)です。
有害物質については28項目の基準が設定されており、有害物質を排出するすべての特定事業場に基準が適用されます。生活環境項目については、15項目の基準が設定されており、1日の平均的な排水量が50m3以上の特定事業場に基準が適用されます。
排出水に対する規制基準は、大きく分けると次のとおりです。
- 一律排水基準 (法第3条第1項)
国が定める全国一律の基準です。排水基準は、排出水の汚染状態について、省令で定められており、物質の種類又は項目ごとに全国一律にすべての特定事業場に適用されます。また、排水基準は、排出水が排出されるすべての排水口に適用されます。
- 上乗せ排水基準 (法第3条第3項)
一律排水基準だけでは水質汚濁の防止が不十分な地域において、都道府県が条例によって定めるより厳しい基準です。また、上乗せ基準として、1日の平均的な排水量が50m3未満の事業場に生活環境項目の基準を適用できるよう同じく条例で定めています。
愛知県では、一般排水基準より厳しい上乗せ排水基準(法第3条第3項に基づく排水基準を定める条例)を定めています。岡崎市内においては同条例別表第2の5矢作川等水域に係る上乗せ排水基準が適用されます。事業場の業種によって異なる場合もありますが、設置時期により既設、新設に分けられて、既設の場合日平均排水量50m3以上の特定事業場に、新設の場合日平均排水量20m3以上の特定事業場にそれぞれ適用されます。
- 総量規制基準(法第4条の5)
上記に挙げる事業場ごとの濃度規制のみでは環境基準の達成が困難な地域(東京湾、伊勢湾、瀬戸内海)において、一定水量以上排出する事業場の1日あたりの許容排出量について規制基準を定めたものです。
岡崎市では、日平均排出量50m3以上の特定事業場において、この総量規制基準が適用されます。
各基準については、環境省の排水基準一覧又は水質汚濁防止法の手引き(ページ下方の関連資料)を参照してください。
設置・変更の届出(法第8条第1項)
特定施設を新たに設置又は構造等の変更をしようとする者は、60 日前までに、岡崎市長に所定の事項を届け出なければいけません。
測定義務(法第14条第1項及び第2項)
排出水を排出する者は、排出水の汚染状態(汚濁負荷量)を測定し、その結果を記録しておかなければなりません。
事故時の措置(法第14条の2)
特定事業場において、特定施設の破損その他の事故が発生し、有害物質又は油を含む水が当該特定事業場から公共用水域に排出されたことにより人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれがあるときは、直ちに、有害物質又は油を含む水の排出の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を岡崎市長に届け出なければいけません。
また、特定事業場以外の事業場で貯油施設等を設置する者は、貯油施設等の破損その他の事故が発生し、油を含む水が当該事業場から公共用水域に排出されたことにより生活環境に係る被害を生ずるおそれがあるときは、直ちに、油を含む水の排出の防止のための応急の措置を講ずるとともに、速やかにその事故の状況及び講じた措置の概要を岡崎市長に届け出なければいけません。
岡崎市長は、特定事業場等の設置者が事故時の措置を講じていないと認めるときは、規定に定める応急の措置を講ずべきことを命じることができます。
構造基準に関する規制(有害物質関係)
法が平成23年に改正され、平成24年6月1日から施行されました。内容は、有害物質を扱ったり貯蔵したりしている施設に対し、施設の構造等に関する基準の遵守と定期点検の実施を義務付けるものです。
この改正により、公共用水域に水を排出しない事業場(雨水のみも含む)で特定施設で有害物質を製造・使用・処理する場合又は有害物質貯蔵指定施設を設置する場合にも届出が必要となりました(法第5条第3項)。
構造基準に関する詳しい内容は、環境省のHP又は、同HPの「地下水汚染の未然防止のための構造と点検・管理に関するマニュアル(第1.1版)」を参考にするか、環境保全課まで御相談ください。
岡崎市の目標
岡崎市生活環境保全条例(第10条)では、法の排水基準とは別に、達成することが望ましい目標値として、「達成目標値」を設定しています。
岡崎市生活環境保全条例については、こちら
届出の様式
工場・事業場から公共用水域に水を排出する者が、特定施設(指定地域特定施設を含む)の設置等をしようとするときは、岡崎市長に届け出なければなりません。
また、公共用水域に水を排出していない工場・事業場においても、有害物質使用特定施設及び有害物質貯蔵指定施設の設置等をしようとするときも届け出る必要があります。
ゴルフ場における農薬の適正な使用について
ゴルフ場における農薬の適正使用について、愛知県が指導要綱を定めています。詳しくはこちらを御参照ください。
ゴルフ場農薬に関する水質調査結果については、環境政策課の「岡崎市の環境(実績報告書)」の資料編を御参照ください。
また、愛知県内のゴルフ場農薬に係る水質調査結果については、愛知県のホームページを御参照ください。
関連資料
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