県指定:彫刻 木造勢誉上人坐像
木造勢誉上人坐像
大樹寺開山堂に安置されている大樹寺の開山 勢誉愚底上人(1444~1516)の像で、像高55.3cm、桧材の寄木造、玉眼嵌入(ぎょくがんかんにゅう 目に水晶をはめ込むことでより実際の目に近い表現をする技法 )の彩色像です。表面は漆塗りの上に白下地とし、衣は朱、袈裟は群青彩、袈裟の条や文様は胡粉盛上し金泥彩が施されています。椅子に座し、右手に払子(ほっす)の柄を握り、左手でその端を持つ形で、浄土系の肖像ではありますが、鎌倉・室町期に盛行した頂相(ちんそう 禅僧の肖像)彫刻の形式にならっていることは注目されます。中世の最盛期の頂相に比べると多少小形であり、頭部はやや過大で後頭部が張りだしていますが、これは像主の特徴だったのでしょう。胎内像背部に墨書銘があり、それによると、この像は勢誉上人54歳の寿像(じゅぞう その人物が生きている間に作っておく肖像)として、室町時代の明応6年(1497)に彼の弟子たちによって発願され、仏師定清によって造立されたことがわかります。定清については他に作例もなく、どのような人物であったかは不明ですが、15世紀の在銘の肖像として貴重なものです。
ふりがな | もくぞうせいよしょうにんざぞう |
指定(種別) | 県指定文化財(彫刻) |
員数 | 1躯 |
指定年月日 | 昭和59年2月27日 |
所在地 | 岡崎市鴨田町字広元 MAP(新しいウィンドウで開きます) |
所有者 | 大樹寺 |
管理者 | 大樹寺 |
時代 | 室町時代 明応6年(1497) |
参考文献 |
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リンク | 文化財ナビ愛知(新しいウィンドウで開きます) |
注意:文化財の概要については、新たな発見や再調査により記載内容が変更となる可能性があります。
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